リンパ体操
冬の寒さ到来と共に増えてくるのが感染症。インフルエンザも蔓延し始めているみたいですから、これからの季節、換気や人混みでのマスク着用などの感染症対策には気をつけたいものです。
さて、病原菌やウイルスが体内に入ってくると免疫系統が働き始めます。その防御機能の一端を担うのが体中に張りめぐらされているリンパ組織。リンパ液の中には免疫・抗体の元となるリンパ球が含まれており、これらの細胞が身体を外敵から衛っています。
このリンパ球は生産され成長していくうちに様々な役割を分担するようになります。あるものは感染症などへの抵抗力を生み出し、あるものは癌細胞等の異物を見つけ出して攻撃する役割を担う。このシステムがバランスよく働いているからこそ、私達はちょっとやそっとの病気には負けない身体が維持できているのです。ありがたいですね。
しかし最近、「体調不良で仕事を休む人が多いんです」という声を患者さん達からよく耳にします。どうやらコロナ禍以降、現代人の免疫力低下が顕著になってきているようです。
そこで大切になってくるのが、このリンパ液の流れを良くしてあげること。特に寒くなると身体を丸めての生活になるため、リンパ循環は滞りがちに…。
そんな滞りがちなリンパ液の流れを良くする「リンパ体操」をご紹介いたします。
① 右足を前、左足を後に開き、左足のつけ根(そけい部)を伸ばす。
② 両手を組んで上に挙げたまま右に倒し、左脇の下(腋窩部)を伸ばす。
③【①②】と同じ要領で反対側も行う。
④ 左右で比較し、キツかった側をもう一度行う。
この体操は、足の付け根の前側(そけい部)にある【鼠径リンパ節】と脇の下にある【腋窩リンパ節】、この人体にある二大リンパ節を同時にストレッチすることができるという優れもの。
実際に体操をするとわかるのですが、現代人はデスクワークが多いため、背中や腰が丸くなり、鼠径部が縮こまっています。また、日常生活において腕を上に挙げることがほとんど無いため腋窩部も縮こまりがちに。そんな縮こまった二大リンパ節をストレッチすることで背筋を伸ばし、滞っていたリンパ液の流れを調整します。
私も施術中は前かがみの姿勢が多いので、気をつけないと腰や背中が丸くなってしまいます。そこで私はこの体操を一日一回だけやっているのですが、年齢の割には「姿勢が良いですね」と患者さん達から褒められます。何事も地道に毎日続けていると良いことがあるものですね。皆さんも是非やってみてください。