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読書

天の夕顔

天の夕顔
「梅雨明け十日」と言いますが、まさにその通り、連日の猛暑が続いていますね。こんな時候は心の涼を求めて文学の旅へと出てみませんか。
旅の行き先は純愛の文学として名高い中河与一著『天の夕顔』。私はこの主人公の一途に思い続けることの出来る純愛のエネルギーに多大なる感化を受けました。現代人はこの主人公をストーカーと呼ぶでしょう。しかし、この主人公のように孤独の道を歩み続けることの出来る人間がまだまだ居たからこそ、戦後の日本は活気に満ちていたのではないでしょうか。

著述家の執行草舟氏もその著書『人生のロゴス』で “まさに一直線の人生がこの本に貫徹されている。人間の命の本源が躍動している。本当の恋が、本当の体当たりを生み出したと言えよう。つまりこの主人公は本当の武士道を掴み取ったのだ。「わたくしは、一つの夢に生涯を賭けました」という一文に感動した私の魂は、この終結に魂の豊かさを養ったのである” と記しています。

一つの夢に生涯を賭け、孤独の道を歩いた男の物語。下宿人である主人公と下宿先の娘。最初は彼女からだった。だが、主人公が彼女に夢中になるのに時間はかからなかった。しかし、七歳年上の彼女は既に結婚していた―。
二人を待ち受ける運命と、二十年余りを経て物語の最後に打ち上げられる花火に込められた思いとは―。
世界6カ国語に翻訳されたという浪漫主義文学の傑作に触れることで、表紙カバー装画に描かれている宇宙・星雲へと、この夏、遙かなる思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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