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エッセンス

一汁生活のススメ

豚汁
涼しくなってきた秋口、「何となくダルくて…」という患者さんが多いですね。これは夏の疲れを解消しないままに活動している事が原因と考えられます。特に夏は冷たいもの等を摂りがちですから秋口には胃腸もお疲れぎみ…。
残念ながら、日本人というのは世界有数の胃腸の弱い民族です。古くから作られてきた伝統薬をみても、伊勢の萬金丹、奈良の陀羅尼助丸、長野の百草丸など多くの胃腸薬があるのは、日本人が伝統的に胃腸が弱く「胃腸の力を回復することが健康に役立つ」としてきた何よりの証でしょう。

さて、胃腸が弱ってしまうと栄養を十分に吸収できなくなりますから、生命の源である血が作れなくなります。この血が作れない体質を東洋医学では「気虚」といいます。いわゆる元気のない状態ですね。
ですから、食欲の秋といえども秋口の食事は腹八分にし、まずは胃腸を休ませてあげましょう。そして、温かく消化のよい食事を摂るなどして、胃腸の調子を徐々に整えていくことが大切です。
料理研究家の土井善晴氏は「ご飯を炊いて具だくさんの味噌汁をつくる。栄養面でいえば、日本人はずっとこれを続けてきたのだから、毎日食べ続けたとしても元気で健康でいられるはずです。まあ、ええことだらけなんですよ」と言います。

以前、当院の患者さんが左手の重度腱鞘炎でフライパンが持てないため、一ヶ月程、ご飯と汁物だけの一汁生活を余儀なくされた方がいました。そして、腱鞘炎がよくなると同時に、なんと慢性的な胃の痛みがなくなってしまったのです。
当院で施術を受けていたとはいえ、本人もビックリしていました。特に味噌や醤油などの発酵食品を多く使う一汁生活には、胃腸の疲れを回復させる力があるのです。

温かいスープ
そこで私はこの一週間、ご飯(うどん・パン)と汁物だけにして胃腸を休ませてあげました。「鶏手羽元のスープ」「鯛のあら汁」「 豚汁」「 山形芋煮汁」「鶏肉のトマトスープ」「鮭の味噌汁」「肉団子スープ」といった日々。昼も夜も同じ一汁を食べました。
お気付きの方もいるかもしれませんが、私は一汁に必ず肉か魚を入れます。それは、肉や魚に含まれているのはヘム鉄(吸収率25%)、野菜に含まれているのは非ヘム鉄(吸収率5%)であり、同じ量の鉄分でも野菜を食べるよりも肉や魚を食べた方が、なんと5倍も鉄分が人体には吸収されるからです。いうまでまなく、肉や魚はタンパク質の塊です。血の原料である鉄分とタンパク質の両方を一度に摂ることができるのです。

血が作れない「気虚体質」の人は疲れやすく、やる気が出ない。落ち込みやイライラといった感情が出やすくなります。血液の大規模検査では日本人女性の半数が潜在的な鉄分不足といわれていることからも、日本人には気虚体質が多いように思われます。だから私は血を作る肉と魚を胃腸に一番負担がかからない汁物という形で食べ、気虚という夏の胃腸疲れを解消しました。

また東洋医学では、この胃腸や消化の働きを「脾」といい、血を作る大本とされます。だから実際、私も患者さんに脾経のツボを使う事が多いですね。先程の伝統薬と同じで「まず胃腸の力を回復させることが全ての健康に繋がる」と考えているからです。皆さんも秋口に限らず、日頃から「一汁生活」を実践してみてはいかがでしょうか。そして、東洋医学の施術を受けに来てください。そうすれば治療効果は倍増することでしょう。お待ちしております。

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