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「遥かなる国」~いにしへを思う~展

「遥かなる国」~いにしへを想う~展
千代田麹町にある戸嶋靖昌記念館で、執行草舟コレクション「遥かなる国~いにしへを想う~展」を鑑賞しました。館内には 安田靫彦の『日本武尊』、荒木田泰圀の『天照皇大神』をはじめ、古来の日本を感じさせる作品が多数展示され、昔の光に照された空間となっていました。

冒頭の写真は平野遼の『岡城跡』です。岡城とは大分県竹田市にあり、土井晩翠作詞、滝廉太郎作曲で有名な「荒城の月」のモデルとも言われている城跡です。秋の岡城跡は紅葉で覆われるのですが、執行氏は「画面の紅い色に、私は武士の滅亡の血の滴りを感じました。紅葉が歴史的な血と化しているのです」と評します。つまり、景色を描きながらも、そこに籠る「霊気」を描いていたのです。平野遼は近代文明によって失われつつある日本人の魂を作品に宿らせることが出来る画家だったのです。

『岡城跡』の隣には、土井晩翠の『荒城の月』が展示されていました。私は中学生の時に音楽の授業で歌って以来好きになり、今でも携帯電話の着メロにしているくらい荒城の月が好きです。

春高楼の花の宴 めぐる盃影さして
千代の松が枝わけいでし むかしの光今いづこ

秋陣営の霜の色 鳴きゆく雁の数見せて
植うるつるぎに照りそひし むかしの光今いづこ

今荒城の夜半の月 変わらぬ光誰がためぞ
垣にのこるは唯かつら 松にうたふはただ嵐

天上影は変わらねど 栄古は移る世の姿
写さんとてか今もなほ ああ荒城の夜半の月

武士の世が終わり、祖国の魂を繋ぎ留めるための歌。その悲しみを土井晩翠が雪いでくれたのです。

執行氏は「執行草舟コレクションを見れば、民族の原初の魂(宇宙的使命)を思い出すことが出来る。作品を愛し信じることによって、自分の人生を何かにぶつけ、捧げることができるのです。そういう魂が作品を通じて賦活できる。それぞれの使命や形は違っても、再創造されていくものが芸術の魂といえるのでしょう」とARTISのインタビューで語っています。

昔の光に照された「遥かなる国」で、いにしへに想いを馳せ、戸嶋靖昌記念館を後にしました。
「遥かなる国」~いにしへを想う~展は2021年4月3日まで開催されています。皆さんも是非足を運んでみてください。
執行草舟公式Webサイト http://shigyo-sosyu.jp
BIOTECホームページ http://biotec1984.co.jp

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