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心と体の健康維持

やるなら 動的ストレッチを!

ラジオ体操をする女性
最近、街を歩いていると「○○ストレッチ」というお店を見かけるようになりました。そのせいか、患者さん達からも「最近、身体が硬くなってきたので、ストレッチとかやった方がよいですか?」という質問をよく受けます。そんな時、私は「静的ストレッチはやらないでください。身体を柔らかくしたいなら動的ストレッチをやりましょう!」と答えています。

ところで皆さん、ストレッチには静的ストレッチと動的ストレッチがあるのをご存じでしょうか?
【静的ストレッチ】とは身体を静止した状態で筋肉を伸ばすこと。日本人はストレッチというと、この静的ストレッチをやっている人が大半ですね。この静止した状態で筋肉をジワ~ッと伸ばすことを毎日熱心にやっていると、実は筋繊維や毛細血管が過剰に伸ばされ切れてしまいます。そして傷んだ筋繊維は再びくっつくと、切れる以前よりも強張った繊維になります。言い換えれば、弾力性のない硬い筋肉が作り上げられます。
【動的ストレッチ】とは身体を動かしながら筋肉を伸縮させること。例えば、野球選手が試合前にまず軽いキャッチボールをする光景をよく見かけますが、筋肉のスタンバイを考えると合理的なウォーミングアップです。ゆっくりしたフォームで軽い投球動作を繰り返すことで筋肉は温まり柔らかくなるのです。もし、野球選手が軽いキャッチボールをせずに静的ストレッチだけで試合に臨んだら、投球動作はぎこちない上、筋肉は損傷を受けやすくなり、選手達は悲惨な運命をたどることになるでしょう。

先日も青山学院大学駅伝部のトレーナーを務める中野ジェームズ修一氏がラジオ番組で、「私が日本に帰ってきて青学で指導を始めた2014年の箱根駅伝、ウォーミングアップに動的ストレッチを取り入れていたのは青学1校だけ。海外では動的ストレッチが当たり前で、静的ストレッチはケガの原因になるからやってはいけないと言われていたのに、他の19校が静的ストレッチをしていたのには驚きました。でも、今年の箱根駅伝では19校がウォーミングアップに動的ストレッチを取り入れ、静的ストレッチをしていたのは1校だけです」と話していました。

つまり、静的ストレッチはもはや時代遅れということですね。それどころか筋肉を傷めケガやコリに繋がってしまう。だから、身体の柔軟性を求めるのなら、筋肉を動かしながら温めて柔らかくする動的ストレッチをやりましょう!筋繊維とは皆さんが思っている以上にデリケートなものですから、間違ってもジワジワと筋肉を伸ばすことを習慣にしてはいけません。
ちなみに私が患者さん達によく勧めているラジオ体操は、動的ストレッチの部類に含まれますので、やっている皆さんご安心を。

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