腎を労る
2月2日は節分でしたね。節分といえば「豆まき」ですが、東洋医学の五行説では豆は腎に該当し、腎気を補うとされています。
腎は西洋医学の腎臓機能のほか、身体を温めたり、水分代謝や生殖機能にも関わっています。また、生まれた時から備わっている「先天の気」を蓄えています。これは両親から受け継いだ気で、年齢と共に減少していき、徐々に腎の機能が弱まる「腎虚」の状態になります。
例えば、皮膚に艶がない、白髪、目のかすみ、頻尿、耳が遠い等の症状は腎虚によるものです。また、水分代謝が低下すると老廃物を溜め込み、脂肪が体内に滞るようになります。これがいわゆる中年太りです。
また、実年齢より老けて見える人には理由があります。若い頃から夜遅くまで、お酒を飲む等といった不摂生を繰り返していると、腎気をすり減らして老化が進みます。さらに、見た目だけでなく身体のバランスにも不調和が生じ、体調を崩したり、更年期の症状が強く現れたりもします。
そこで、加齢により衰えた腎を補う食養生ですが、一般的に言われているクルミや黒ゴマ、黒豆や山芋も勿論良いのですが、私のお勧めは“上質”の味噌です。「医者に金を払うよりも味噌屋に払え」は昔の格言ですが、豆は身体の水捌けを良くし腎を補う食品であり、塩は身体の余分な水分を小便で出してくれる。つまり豆+塩で腎が補われ、その結果として身体が温まるのです。だから寒い地方の人はよく食べていたのですね。ただし、塩分を含む物は食べ過ぎると血が粘って血圧が上がるのでご注意を。ちなみに砂糖は余分な水分を蓄え身体を冷やし、腎を弱くしますから摂りすぎは塩分以上に注意が必要です。
もともと腎が弱い体質の人は腰、膝、耳、泌尿器系、呼吸器系にトラブルを抱えやすくなります。当院では、そんな患者さんに腎経にある27のツボを使って腎気を補い、水分代謝をよくする施術を行っています。そのせいでしょうか、施術後にトイレを借りて帰る患者さんも多いです。
食養生と当院の施術で腎を補い、若々しくありたいものですね。
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