食欲の秋
食欲の秋といえば、太りやすい季節。中高年にとって肥満は生活習慣病と直結しているのでこの時期注意が必要です。
先日来院した患者さんも、健康診断で医師から「もう少し痩せてくださいね」と食事指導のプリントを渡されたと言っていました。私が「メタボリックシンドロームと診断されたら、健康保険料が上がるような制度にすれば皆痩せますよ」と言ったら苦笑いしていましたが…。
でも、私が診ている限り、酒飲みやメタボリックシンドロームの人の方がやはり病気になっている。それは飲食物の消化には膨大なエネルギーが必要であり、かなりの負担が内臓にかかるからなのです。
特に飲み過ぎ、食べ過ぎで肝臓や腸が弱ってくると、毒を排出するための新陳代謝が落ちてしまいます。すると、排出するべき毒素が身体に徐々に溜まっていって、それが過度になると病気になるのです。
そうならないためには、常に排毒(デトックス)を心掛けることが大切。粗食・小食にすると身体が排毒にエネルギーを使えるのです。だから、私は調子が悪いと感じたときは無理に食べないようにしています。これは動物が具合悪くなったときと一緒です。動物たちに「食べて早く元気になれ」と言ってエサを与えても、必要以上には食べないでしょう。食べると回復が遅れるのを本能で知っている。どうやら人間だけが食欲が麻痺していているようですね。
世界文学の最高傑作、ダンテの『神曲』には「地獄の番犬ケルベロスが現世で大食らいの罪を犯した者を食らい散らして罰している」と書かれています。実は大食らいは罪なのです。だから、食欲が麻痺している人は気をつけてください(笑)
そこで目安となる”食べ過ぎの基準“を皆さんにお教えしましょう。
それは「食後に眠くなるか、ならないか」です。眠くなるようなら食べ過ぎたということ。腹八分にしておけば食後は逆に元気になります。
ただし、添加物のたくさん入ったものを食べると、少量でも眠くなりますのでご注意を。
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