世間より、身内の情報を!

先日、ラジオを聴いていたら情報分野の専門家が「令和時代の一日の情報量は、江戸時代の一ヶ月分、縄文時代の一年分です」と話していました。このように時代的に比較してくれるとなるほどよくわかる。現代は間違いなく情報過多ということになるでしょう。
私も日々の施術で感じるのは、患者さん達が世間の健康情報をよく知っているということ。しかし、もっとも身近な親族の病気や生活習慣については、興味がないのか疎い人が多いですね。親族のかかった病気を「家族歴」といって、昔の医師は問診で必ず患者さんに聞いていましたから、家系的に罹りやすい病気を知る重要な情報源になります。
なぜ重要な情報源になるかというと、やはり体質というものは遺伝するから。だから親族で病気を患った人がいれば、自分もその病気にかかる可能性があると思って、その人の性格や生活習慣くらいは知っておいた方がいい。そしてその人を反面教師として養生していけば、世間の健康情報を片っ端から試さなくても、自分に合った健康法に辿り着くことができるのです。
例えば、私の祖父は50代で脳出血で倒れ、半身不随になりました。その祖父をみていた私の父は若い頃から睡眠だけはちゃんととっていた。それは祖父の生活習慣をみていたからでしょう。そんな父は80歳を過ぎているのですが病気もなくピンピンしています。
また、私の叔父はアルコールに弱い家系にもかかわらず、お酒の席が大好き。そして60歳で癌を患いました。
このような家族歴から、私の養生は睡眠をちゃんととること、お酒は控え目にすることになるのです。
このように、それぞれの家系の体質に合った養生をしていけば病気になりにくいし、的外れな養生をしていては病気のリスクは高まってしまう。
親族に糖尿病がいれば甘い物に気をつけ、高血圧の人がいれば味付けの濃い食事は控えないといけない。肺ガンの人がいれば煙草は控え目にして、事故やケガによくあう人がいれば、注意力散漫な体質があるから慎重に行動するということが肝要になります。
世間では、やれ「四毒」「お酒は肝臓に悪い」「煙草は諸悪の根源」などといいますが、人間は家系によって合う合わないがある。個体差がもの凄くあるのです。だから、世間の情報を鵜呑みにするのではなく、まず自分の親族の情報を集めて分析してみることが大切ではないのでしょうか。
