『回想の野口晴哉』野口昭子
この本の著者は整体法の創始者である野口晴哉の夫人。政治家・近衛文麿の長女です。今回はこの本の印象に残った1ページを皆さんにご紹介したいと思います。
ある人が野口先生に訴えた。
「講習会に行きたいけれども、姑が意地悪するから行けない」と。
すると先生が言った。
「本当に行く気があるなら、姑のせいにしないで、まず、“行く”と心に決めなさい。事態は自然に拓ける」と。
その人は明るい顔をして講習会に来た。
「どういうわけが、姑が機嫌よく出してくれた。先生の仰る通りでした」
最初に意欲がある。空想がある。理由や理屈は後からつけるものだと野口晴哉は言います。だから、「念じた通りになる訳はない」と思っている人は、そう思っていることが実現しているにすぎないのでしょう。
野口語録にこんな言葉があります。
念ずれば現ず
我が思う如く、我が事成る也
そうすると、誰しも今ある自己の世界というのは、いつの間にか自分自身が作っているのかもしれませんね。