不眠症
不眠の多くは生活リズムの乱れやストレス、自律神経の乱れや運動不足など、いくつかの要因が重なって起こります。
西洋医学では直接的に睡眠を誘発する薬を使って治療します。一方、東洋医学では精神症状の内容によって漢方処方や鍼灸指圧のツボを定めます。
ここでは、不眠症状に対する鍼灸指圧のツボをタイプ別にお伝えいたします。
①【少しの物音で驚く】といった神経過敏な方には、気逆として気を下げるツボ、腎経の「復溜」を刺激します。場所は内くるぶしから指3本上、アキレス腱の際に取ります。
②【些細な事でクヨクヨする】など消化器系の弱い方には、気虚として気を補うツボ、脾経の「陰陵泉」を刺激します。場所はスネの内側の骨を膝に向かって撫で上げ、指が止まる所。
③【すぐ腹が立ったり、イライラしやすい】という方には、気が鬱積し、滞っている気滞として、気の流れを改善するツボ、肝経の「曲泉」を刺激します。場所は膝を深く曲げた時に出来るシワの内側端に取ります。
また、①②③共に「失眠」という足裏のツボを刺激するとよいでしょう。字の通り、気を失うように眠れるといわれています。場所は踵(かかと)の中央。
これらのツボに指圧、お灸、接触鍼をすると眠りの質が改善されます。
ちなみに、私が不眠を訴える患者さんを診ていて思うのは、昼間、肉体労働をしたり、友人と出掛けた日にはよく眠れるという方が多いこと。
どうやら、不眠症の一番の薬は肉体をよく動かしたり、家族以外の人と会って緊張したりと、適度に心身を疲労させることのようです。