冷房病のツボ
一年でもっとも気温が高く、蒸し暑い夏。今年は本格的な夏の到来が早かったため、「急に冷房に当たったせいか、体調が芳しくない」という患者さんが例年より多い気がします。
例えば頭痛、身体のダルさ、喉の痛み、顔のむくみ、眠りが浅い、腰背痛、膝痛などなど。しかし、この暑さと湿度ではエアコンを入れないと、とてもではないが過ごせない(>_<)
そこで、エアコンに負けないよう、これら 冷房病 といわれている症状に効くツボをご紹介したいと思います。
①腎兪(じんゆ)
全身のエネルギーとなる気の流れを調整するツボ。押すと痛い場合はエネルギーの流れが滞っている。
【お臍の高さで、背骨から指二本分外側】
② 太谿 (たいけい)
下半身の冷えや喉の痛みに効果がある。水の巡りをよくすることで、むくみの解消効果も。
【内くるぶしとアキレス腱の間にある凹】
③ 大椎 (だいつい)
邪気(風邪・ふうじゃ)を除くツボ。お灸がしにくい場合は、蒸しタオルを当ててもよい。
【頭を前に倒し、首の後ろの一番突出している骨のすぐ下】
特に ①腎兪は応用範囲が極めて広いツボです。腎・膀胱疾患をはじめ、婦人科疾患、神経系疾患、消化器疾患、呼吸器疾患など。私はほとんどの患者さんにこのツボを用いています。鍼灸の大家 澤田健もほとんど全ての患者さんに、この「腎兪」を用いていたと文献にも残っている。それほど大事なツボなのです。
腎の気は加齢とともに徐々に減っていきますから、50歳を過ぎたら「腎兪」にセルフ灸をすえ、腎を補うことをオススメします。腎が弱まることで、目がかすむ・耳が遠くなる・頻尿・白髪・皮膚のつやが無くなる・中年太り・夜中に目が覚める等、いわゆる老化による症状が現れてくるのですから…
セルフ灸ができない時は拳でコンコンコンと軽く「腎兪」を叩いてあげるとよいでしょう。軽く気持ちよい程度です。よく昔の年寄りは「あ~、疲れた」と言って、腰を反らして叩いていましたが、実は「腎兪」を叩いていたのです。
これら冷房病のツボを刺激して、高温多湿、日本の夏をエアコンも上手に使って乗りきりましょう!!