ピストン呼吸
私は定期的に鍼灸治療を受けて身体を調整しているのですが、先日、そのベテラン先生の治療所に行ったときに待合室で待っていると、前の患者さんにアドバイスする先生の声が聞こえてきました。
「ウ~ン、このダルさの原因は酸欠だね。ちゃんと呼吸してる?人間は苦しくなると呼吸が早くなるんだから、シュッポシュッポ早い呼吸を意識的にやらなきゃだめだよ」
一般的にいわれている呼吸法とは、口からゆっくり8秒程かけて吐ききり、鼻から4秒程かけて吸う。これを繰り返すというものです。これはこれで自律神経を整え、心を落ち着かせるのにとても効果的なのですが、「倦怠感がある人」「元気のない人」には下記の速い呼吸エクササイズがお勧めです。
①楽な姿勢でイスに座る
②車のピストンのように勢いよく、鼻で速い呼吸をする
(思い切り吐いたら、すぐに吸う速い呼吸を繰り返す)
③10回程度からはじめる
(楽に出来るようななったら20回、30回…と増やしていく)
このエクササイズには「再生呼吸」または「ピストン呼吸」という名前がつけられています。提案者はアメリカのオステオパシー医 ロバート・フルフォード。90歳を過ぎても患者さんの施術をしていたというレジェンドです。その医師が推奨していたのがこの呼吸法ですから、説得力がありますね。
また、このエクササイズは一見簡単そうですが、普段から呼吸がちゃんと出来ていない人にはとても難しい。回数を徐々に増やして100回続けられるのが望ましいのですが、くれぐれも無理のないように行ってください。
「この呼吸法をすれば、短時間の間に身体の全ての細胞を再生することが出来る。つまり、停滞して上手く働かなかった細胞を正常の活動ができるように戻してやる効果がある」とフルフォード医師はその著書『いのちの輝き』に記しています。
元気のない人、細胞を活性化させたい人、頭をスッキリさせたい人は是非試してみてください。私の体感では、鼻づまりや副鼻腔炎など、鼻の諸症状の改善にも効果があります。