水の力
6月30日は「夏越しの大祓」ですね。
大祓とは半年間生活してきて生じた罪と穢れを、茅の輪をくぐるなどして祓い清める神事です。罪とは “身が包み隠される” 、穢れとは “気が枯れる” という意味。半年間の罪・穢れを祓い、本来の自分の姿に立ち返り、7月からの下半期を清々しく迎えましょう。
さて、昔から日本では「うがい手水に身を浄め」というように、水によって身体を浄めるという考え方があります。神社参拝するときは必ず手水をして心身を浄めるでしょう。ここに、水によって罪・穢れを祓うという日本伝統の考え方があります。
お風呂にしても、欧米人は単に体の汚れを落とすという考えなので、湯船に石鹸で泡を立てて入ります。しかし日本人は身体を洗うときは必ず湯船から出て外で洗う。つまり、湯船に浸かるというのは身体を浄めるという考えを持っているのです。日本人の捉え方の方が神秘的だとは思いませんか。
今から45億年前に太陽の周りを回るいくつかの惑星が誕生したのですが、なぜか地球だけに水ができました。そして今から35億年前に水の中に生命が誕生して、地球上に生物が現れたわけです。だから水というのは「生命を誕生させる凄い力を含んでいる」ということになります。水って凄いんです!
人間の身体の60%以上は水で出来ているわけで、水を飲まなければ生きてはいけない。私達は水無しではいられないのです。
ゆえに、毎日お風呂に入れることに感謝し、きれいな水を飲めることに感謝する。そんな水の有難みを日ごろから持てば、水の力によって罪・穢れは少なく済むのではないでしょうか。
世界中を見回しても日本ほど水に恵まれている土地は有りません。最近増えてきた豪雨や梅雨時の長雨は不快かもしれませんが、雨が降らなければ人間は生きていけないわけで…。その雨が有難いと思えるようになれば、罪や穢れは去っていくのです。
今年は6月なのに関東では雨が少ないですね…。水不足にならないよう皆さん手を合わせていただけたら幸いです。人間一人の力が山をも動かすのです。