ここ数日、梅雨が明けたかのような猛暑が続いていますが、六月は梅雨の時期で何となく心身ともにスッキリしない季節です。湿気が多いうえ、梅雨前線や低気圧などの気圧の変化により頭痛や頭重感を訴える方も当院の患者さんに多かったですね。

この時期に頭痛がひどくなるのは、低気圧による脳内血管の拡張と気温差による自律神経の乱れによるもの。そんな方はまず、肺の中の汚れた空気を全部吐き出してしまいましょう。吐ききってから吸えば新鮮な空気が肺にたっぷりと入ってきます。この深呼吸を何回か繰り返すことは脳内の血流や自律神経を整えます。

さて、｢雨が降る前に頭が痛くなる｣と訴える人は多いものですが、気圧の低下にプラスして身体の水の巡りの悪さが原因として考えられます。そんな場合は体内の余分な水分を排出する脾経の「陰陵泉」を刺激しましょう。場所はスネの内側にある骨(脛骨)とふくらはぎの間の溝を膝の方になで上げ、指が止まる所に取ります。

また、身体の水捌けをよくする黒豆茶や小豆茶を飲むのもよいでしょう。このツボは月経時のむくみの解消にも効果があります。

また、脈拍と共にズキズキと側頭部が痛み、吐き気をもよおしたり、光が眩しく感じる頭痛には胆経の「足臨泣」を用います。場所は足の小指と薬指の間。

チョコレートやチーズ、赤ワインなど味の濃いものはズキズキ頭痛を誘発する原因になりますので、好きな人は注意が必要です。肝臓や胆嚢が疲れている人に多いですね。

次に、同じ姿勢を長く続けることで首の後ろから肩・背中にかけてコリが生じ、頭全体が何だか痛むという方には膀胱経の「崑崙」がよいでしょう。場所は外くるぶしとアキレス腱の間にある凹み。頭に上った血を引き下げる効果があります。特にデスクワークの方は仕事に支障のない範囲で出来るだけトイレに立つようにしましょう。


そして近年多いのが前頭部の頭痛。これは質の悪い食事や甘い物の過剰摂取から胃が熱をもち、その熱が頭に昇り起こります。そんな頭痛には胃腸関係全般の働きを調整するほか、気を下げる働きのある胃経の「足三里」が効果的です。場所はスネの外側で膝の皿のすぐ下の凹みから指四本下に取ります。このツボは血圧を下げる効果も期待できますので高血圧の方にもオススメ。


これらのツボを指圧やお灸、エレキバン等を貼って刺激することで、頭痛や頭重感を和らげ、不快なこの季節を乗りきりましょう！！