花粉症の季節到来
冬から春にかけて暖かくなってくると、花粉による目の痒みやアレルギー性鼻炎(鼻水、鼻づまり、くしゃみ)に悩む人が増えてきます。当院でも数日前から花粉症の症状を訴える患者さんがちらほらと出てきています。
先日、来院した患者さんが「私、ひどい花粉症なので色々試してみましたが、一番効果があったのが小麦を止めること。毎年、お正月明けから小麦を止めるんですが、花粉症がずいぶん軽くなります」と言っていました。
確かに小麦に含まれるグルテンが花粉症の発症に関与するといわれており、本格的に花粉が飛び始める前から小麦食品を止めるというこの方法は効果がある対策だと私も思います。
私事ですが一年前、体重を増やす必要性に迫られ、主食のご飯にプラスしてパンや洋菓子などの小麦食品をいつも以上にたくさん食べていました。太るには高カロリーのパンや洋菓子が一番手っ取り早いですからね。そのお蔭で体重は目標値まで増えたのですが、その代償があまりにも大きかったのです。
花粉が飛び出した3月頃から鼻を取り外して洗いたいくらいの炎症がおき、仕事中もマスクが鼻水で濡れてしまうほどに…。元々軽い花粉症はあったのですが、これほどひどい花粉症になるのは生まれて初めて。仕事にも支障をきたしたため花粉症の薬も初めて飲みました。
この経験から花粉症と小麦食品は因果関係があると私は考えます。
このグルテンというものはモチモチ感の元となるもので、品種改良によって最近の小麦はグルテン含有割合が大幅に増えているそうです。昔の小麦はグルテン含有量が少なかったため、パンにしても、うどんにしても、モチモチ感はほとんど無かったです。だから、小麦を摂っていてもグルテン含有量が少ないため、花粉症が今ほどいなかったのでしょう。しかし最近の小麦食品は凄くモチモチしています。食べやすい上、美味しくは感じるのですがグルテン量は当然多い。これが花粉症が年々増加している原因になっているのではないでしょうか。
さて、花粉症のツボということになりますが、私はアレルギー疾患全般に効果があるとされる「臍の上下左右、各三センチの4カ所」を花粉症の患者さんには使っています。このツボに指圧やお灸をしてお腹を柔らかくしてあげると症状が和らぐ。その上で、医療用の置鍼を貼ります。
セルフケアとしても、この4カ所を押したり、せんねん灸をすえたり、ドラッグストアで売っているピップエレキバンやスポールバンを貼るとよいでしょう。
よくテレビやマスコミの報道では、花粉の吸収量がリミットを超えると急に発症すると言っていますが、小麦の摂取量がリミットを超えると発症するという考え方もあります。なぜなら日本人は欧米人に比べてグルテン不耐性(体質的に合わない)人の割合が高い。つまり、この小麦リミットの閾値が欧米人に比べて日本人は低いのです。だから昭和30年代、欧米食を食べ始めだしたころから、日本人にアレルギー疾患が少しずつで始めている。そしてアレルギー体質というのは遺伝性があるため、一世代ごとにアレルギー反応が色濃く出るようになっていくのです。だから、祖父母世代より父母世代、父母世代より子供世代に花粉症やアトピー性皮膚炎が多くなっているのもこういった理由があるのです。
このように私は昨シーズン、花粉症で痛い目にあったので、今年は花粉症シーズンに備えて半年前からパンを減らし、洋菓子はほとんど食べていません。
さてさて、これからの花粉症シーズン本番を迎えてどうなることでしょうか。また経過をご報告いたします。
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