皮膚病のツボ
先日、来院した60代の患者さんが「この腕の肌荒れは何とかならないかな」と腕をまくりながら言うので、「大好きなマ○ド○ルドとワインをやめれば良くなりますよ」とアドバイスしました。
若い頃はファーストフードやアルコールを摂り過ぎても内臓が元気なので、毒素を解毒分解して大小便でどんどん出してくれます。特に肝臓と腎臓は大切な排泄器官で肝臓は腸につながり大便から毒素を出し、腎臓は膀胱につながって小便から毒素を出してくれます。
ところが肝臓が解毒しきれなくなくなると毒素は血中に流れ込む。同じく腎臓が濾過しきれなくなると毒素は血管に逆流します。
血中毒素は解毒しないと命に関わるため、代わりとなる排泄路を使うことになる。そこで肝臓の排泄代行を皮膚や粘膜が、腎臓の排泄代行を肺や汗がするのです。
つまり、血液中の毒素が皮膚から排泄されれば皮膚の荒れや粘膜の炎症が生じ、肺から排泄されれば口臭、汗から排泄されれば体臭となります。
この患者さんも60代ということで肝臓の解毒機能が低下してきているため、解毒しきれない毒素を代行の皮膚から出している。だから飲食を改めれば皮膚の荒れ方も改善していくことでしょう。
さて、皮膚トラブルの原因には食べ物の他に便秘症、背骨の歪み、薬の服用、水分摂取不足、否定的な感情、遺伝的要因などがあります。正しい食生活をしていてもこれらの原因で皮膚が荒れてしまう場合も多くみられます。
そこで、東洋医学で皮膚疾患全般に効果があるとされるツボをご紹介いたします。
「築賓・ちくひん」
築賓は解毒作用のあるツボで肝機能の強化をはかります。
場所はスネの内側、ふくらはぎの盛り上がりの下縁にとります。
「肩隅・けんぐう」
肩隅は皮膚病をつかさどるツボとして最もよく用いられます。
場所は腕を横に挙げた時に肩関節できる
凹みにとります。
皮膚トラブルでお悩みの方は、この二つのツボを指圧したり、お灸をしたり、エレキバン等を貼ってみてください。築賓と肩隅を組み合わせることによって功を奏する例が東洋医学界では数多く報告されています。