貧血症
鉄分の不足から現代女性の約20パーセントが貧血症といわれています。
鉄分とは血液中で酸素運搬を担う“ヘモグロビン”の構成要素。その量が正常値より減少すると、身体の各部分で酸素不足や栄養不足をきたします。そして疲労感、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどが症状となってあらわれます。
先日も「病院で貧血と診断され、鉄剤を飲んでいるのですが、気持ち悪くなるだけで数値はなかなか改善しない」という患者さんが来院しました。
問診していくと、欧米食を中心とした偏食であり、湯船には全く浸からず毎日シャワーとのこと…。この二つの習慣を正さなければいくら鉄剤を飲んでも治らないでしょう。
貧血改善の方法としてまず大切なのは食事です。鉄剤を飲んでも治らないのは、鉄の運搬を手伝う銅を一緒にとらないから。この銅は青魚や貝類に多く含まれています。超人的スタミナをもっていたサッカー元日本代表の長友佑都さんは青魚を中心に食べていたといいますから、青魚は良い血を作るのでしょう。
さらに青魚や貝類と一緒にビタミンCを摂ると鉄分の吸収率が上がります。お勧めは大根おろしやレモンを添えること。秋刀魚に大根おろし、牡蠣フライや帆立フライにレモンを搾る日本人の知恵には頭が下がります。
また、「貧血といえばレバー」と昔からいわれるのも、レバー自体にビタミンCが豊富に含まれており鉄分の吸収率がよいからです。
そして、発酵食品も鉄分の吸収を高めてくれます。わが家は普段から肉や魚を味噌や醤油で根菜と煮て汁物としてよく食べています。豚汁は毎週食べますよ。そのお蔭でしょうか、妻は血液検査で貧血といわれたことは一度もありません。もちろん私も。
こういう食生活をすることが貧血改善の第一歩なのです。
次に大切なのが湯船に浸かること。水圧を身体全体にかけることは、血流改善だけでなく、赤血球増加に役立ちます。できれば鼻の下まで浸かってください。
当院の患者さんを診ていても、湯船に浸からない人に貧血傾向が多いですね。ということで湯船には毎日しっかりと浸かりましょう!
さて貧血のツボですが、三陰交(内くるぶしのてっぺんから指4本上)、血海(膝の皿の内側上端から指3本分上)を私はよく使います。
三陰交は せんねん灸。血海は 指圧すると効果がよい。また両ツボにピップエレキバンを貼っても効果があります。これらは婦人科系全般の症状改善にも効果がありますので、女性には嬉しいツボとなっています。
日本人は欧米人の真似をするとだいたい体調を崩します。つまり体質が全く違うということ。やはり日本人には「日本食」と「湯船」が遺伝的に合うのです。自分の先祖が延々と行ってきた習慣をベースに、現代に合わせて微調整していく。この事が貧血だけでなく様々な症状の改善に繋がるのです。
ちなみに、わが家は毎日鉄瓶でお湯を沸かして飲んでいます。鉄分が摂れる上、お湯がまろやかになって美味しいですよ!ただし、安い鉄瓶は鉄の質が悪いので購入する場合は一万円以上の物をオススメいたします。