便秘症
私はよく便秘症の患者さんから「施術を受けた翌日はよく出ます!」と言われるのですが、便秘症を根本的に改善させるとなると正直なかなか難しいですね。なぜなら、その人の習慣を丸ごと変えないといけないから。習慣を変えるのはそう簡単なことではないので、現代は便秘症で悩んでいる人が多いのでしょう。
ではどのような習慣に変えていけば便秘症は改善できるのでしょうか?
①朝ご飯をちゃんと食べる
・咀嚼(しっかり噛む)➡嚥下(ゴクンと飲み込む)➡胃に入る➡腸が動き出して便意をもよおす。これを「胃ー結腸反射」といいます。液体を流し込むだけでは咀嚼と嚥下が弱いため、この反射は弱くなる。よって、ご飯や固いパン等を食べなければ便意はおきにくい。
②食物繊維をしっかり摂る
・水溶性食物繊維は便の“水分量”を保つ【例】海藻類、寒天、大麦
・不溶性食物繊維は便の“かさ”を増やす【例】野菜類、キノコ類、大豆、キクラゲ
・私のお勧めなのがワカメ・ナメコのヌメヌメ系や切り干し大根。サツマイモ、蕎麦も食物繊維が多く含まれる
③規則正しい生活を送る
・不規則な生活リズムの人に便秘症が多い傾向がある
④1日 7000歩 程度歩く
・よく歩くことで腹圧の低下(お腹ポッコリ)を予防する
⑤甘い物は出来るだけ控える
・砂糖は腸内の善玉菌を減らす
上記の①~⑤はどれも現代人にとって「分かってはいるけど、なかなか出来ない」というものばかりです。しかしこれらは一昔前、昭和の時代までは当たり前に行われていた習慣。自慢じゃないですけど、私にとっては全て習慣化されたものばかりですので、もちろん便秘で悩んだことはありません。毎日快便です!
さて話は変わりますが皆さん、大便をする時に力み過ぎてはいませんか?特に便秘症の方は排便時に出そう出そうと思ってつい力んでしまう。ご存知だとは思いますが、力み過ぎは痔や脱肛の原因になる。血圧も上がってしまいます。
先日も「トイレで力んだら白目の血管が切れてウサギの目になった」と赤い目をして来院した患者さんがいましたが、特に冬のトイレでの力みは危険です。
そこで “大便が出やすくなる便座の座り方” をお教えしましょう。
①便座に腰骨を立てて座る
②腰骨を立てたまま上体を前に倒す
③両肘を膝に乗せる
④足裏で床を押し、顔を正面に上げる
この姿勢でしばらく待っていると腹圧がかかるため、それほど力まなくても便が出やすくなります。マヨネーズ容器を折り曲げると、中身が出るのと同じ原理ですね。だから本当は和式トイレの方が腹圧が強くかかり排便には適しているのです。
何事も力んで良いことはありません。痔や脱肛になりたくない方は、この座り方で力まずに排便する習慣をつけましょう!
ちなみに水溶性食物繊維飲料の「ファイブミニは効きますか?」と聞かれる事がありますが、これだけ飲んでいても効果は薄いです。やはり不溶性食物繊維も一緒に摂らないと善玉菌は増えない。水溶性と不溶性の摂取比率は1対1が理想とされています。