膀胱炎
今月は朝晩の気温が下がってきたせいか、膀胱炎の症状を訴える患者さんが多かったですね。
膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起こる病気で、女性に多くみられますが男性に起こることもあります。外側からは大腸菌・ブドウ球菌などの細菌が尿道から侵入して膀胱へ達した時、内側からは腎臓が老廃物の“ろ過”という機能がうまく働かなかった時にそれぞれ膀胱に炎症が起きてしまいます。
膀胱炎になると頻尿(トイレが近くなる)・下腹部が重くなる・残尿感・排尿痛(ツーンとした痛み)・尿が濁る等の症状が現れます。発熱はほとんどみられません。
原因としては、下記が挙げられます。
①トイレに行く回数が少ない
膀胱に尿を溜めている時間が長くなることで、菌が繁殖しやすくなる
②座っている時間が長い
動かない事で尿が淀み、菌が繁殖しやすくなる
③膝下の冷え
特に足首が冷えると、腎臓の働きが弱まる
④疲労で抵抗力が弱まった
過度な肉体疲労や精神疲労は、免疫力の低下をまねく
⑤お尻の穴が弛んでいる
骨盤底筋の衰えは、バイ菌の侵入をゆるしやすい
さて、膀胱炎のツボですが “内くるぶしの上15センチ、スネの内側骨上” にある「れい溝」に、せんねん灸をすえるとよいでしょう。膀胱炎の時は熱く感じない事が多いので、熱さを感じるまで数壮すえます。毎日すえることで症状が早く改善します。
また、セルフケア体操としてはスクワットをやるとよいでしょう。スクワットはしゃがむことで下腹部に適度な圧力がかかり、尿を出し切りやすくします。また、下腹部が締まることで細菌の侵入を防ぎます。
本当は洋式トイレよりも和式トイレの方が下腹部に圧がかかって、尿を押し出す力がアップするのですが、現在では難しいのでスクワットをやりましょう!
尚、私のお勧めスクワットは【関連記事 重力は神である】に載せていますのでご参照ください。
医学書には「女性は男性に比べて尿道が短いため膀胱炎になりやすい」と必ず書いてあります。確かにそうなのですが、私の診ている限り、女性の方がトイレを我慢してしまう傾向が強い。やはり膀胱炎の予防にはトイレに小まめに行くという事が一番大切です。他にもレッグウォーマーを着ける、過度の疲労を溜めない、気付いたらお尻の穴を絞める、等の養生が必要です。
そして頻繁に膀胱炎を繰り返すという方は予防としてスクワットを行いましょう!
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