異常気象?!
愛知県に住んでいる母が「35度以上の猛暑日が25日も続き、雨もぜんぜん降ってくれない。これじゃ、家庭菜園の野菜が育たない…異常だに」と先日、電話で嘆いていました。気温35度を超えると植物だけでなく、夏に元気なはずの蝉も鳴かなくなり、蚊も出なくなりますから「異常気象だ!」と言いたくなるのもよく分かります。
しかし歴史的にみると今が特別に異常な気象とも言えません。なぜなら地球はいつも同じ気候なのではなく、大きなサイクルでは10万年単位、小さなサイクルでは500年単位で温暖化・寒冷化を繰り返しているからです。
近いところでは江戸時代、農作物が凶作続きで享保・天明・天保などの大飢饉がおきていますが、この頃が寒冷化(小さなサイクル)のピーク。そして明治時代から徐々に温暖化が進み、昭和の後半には農産物がよく育つ気温になり、豊富に取れるようになった為、人口も爆発的に増えました。
しかし、このまま温暖化のピークに向かって進めば、今よりももっと気温が高くなり、逆に今の農作物は育たなくなっていくでしょう。そして何らかの工夫をしなければ食料は減っていってしまう。食料が減れば人口も減らざるを得ないのです。
先日もある患者さんが「孫が大学受験なので、東京農業大学なんかどうかな。これからは農業の知識を持っている人が重要視される時代になるとアドバイスしたけど、ぜ~んぜん聞く耳を持たない(笑)」と話していましたが、私もまったくの同感です。
今、私が高校生だったら農業大学にいって温暖化や酷暑に適応する農作物の品種改良や育て方などを研究したいですね。人間は食べ物が有って初めて、その他の活動もできるわけで、今後、温暖化が進むに連れ、農業が重要な産業だと再認識されるのではないでしょうか。
そして、刻々と環境が変化する地球上で生き残っていくためには、農作物だけではなく、人間も適応していく必要があります。そこでポイントとなるのが環境に最も早く適応する菌類。菌類は体の構造が単純なので、その時の自然環境に敏速に自分を合わせる事ができる。放射能に対しても菌が一番早く適応していますからね。その環境にいち早く適応した菌を人間は発酵食・菌食という文化として摂ることによって、様々な環境変化に身体を適応させて生き残ってきたのです。
当院の患者さんにも、発酵食・菌食を意識して摂っている人が多くいるのですが、その中のある方に「夏バテ大丈夫ですか?」と聞いたら、「7月はキツかったのですが、8月になったら暑さにも慣れました!」とのお返事。やはり発酵食・菌食は環境適応力を敏速にさせるのですね。
このように環境に合わせて適応することができれば、農作物であろうが、人間であろうが、地球上で生き残っていくことが出来るのでしょう。