頭の疲れは 腕にでる
先日、ある患者さんの腕をマッサージでほぐしていると「私、デスクワークなのに、腕がスゴく凝っているんですね。」と言われました。
この方のように肉体労働をしているわけでもないのに、腕がカチカチに凝っている患者さんはとても多いのですが、その原因は何だと思いますか?
人間は頭を一生懸命に使った場合、どこに疲労が連鎖するかといえば「腕」なのです。反対に腕が疲れると頭の動きが鈍くなってしまう。頭と腕は非常に関連があって、例えば頭の中にあることをどうしても相手に伝えたい時、無意識のうちに手を動かして訴えるでしょう。
人間は二本足で立つことによって、手が自由に使えるようになり、言語中枢が発達した。親指と他の四本指が対立して動くようになって、考えるということが出来るようになりました。この関連性からも、腕の疲れが頭の疲れに繋がっているというのも不思議ではありません。
現代人の腕の疲れの原因には「字を書く」「マウスを使う」ということがあります。デスクワーカーの人達は腕が疲れてくると発想も滞ってしまう。しかし、この関係を知らない人はペンやマウスを握ったまま一生懸命考えるのです。そんな時は一度ペンやマウスを放して、腕をブラブラと振って弛めるとまた発想が拡がっていきます。
また、天才整体師 野口晴哉は「脳溢血を起こした人で、手首が柔らかだった人は一人もいない。脳の病気はその人の手首をつかまえて、柔らかければすぐに良くなる。硬ければなかなか治らない。」と記しています。このように手首の柔軟性はとても大事なのです。そこで手首を整えるセルフケアをお教えしましょう!
【右手首の場合】
①右手首を左手で握って、10秒程揺すぶる
②左手は握ったまま、右手をグーパー、グーパー10回繰り返す
③右手親指を10秒程“軽く”引っ張る
手首が柔らかくなれば、首肩のコリも弛んできます。
ちなみに、頭が働かなくなると肘が冷たくなります。そんな時はレンジでチンした“蒸しタオル”を肘の冷たい所に当ててあげましょう。肘を温めるとまた頭が働き出します。
このように頭と腕はとても関係が深いのです。ペンやマウスを長時間使う人は小まめにケアしてあげましょう。
尚、夏場は昼夜を問わず冷房で肘が冷える事があります。肘を触って冷たい人はシャツにしても、パジャマにしても、七分袖か長袖を着ることをお勧めします。
肘を冷やさないという養生は、頭の働疲れの回復を早めるだけでなく、頭のの病気予防にも繋がるのです。