酒は百薬の長!?
先日、ある患者さんから「お酒は何を飲んだら一番身体にいいですか?」と質問を受けました。
お酒を飲むということは、身体を弛めるという目的ではとても効果的。心身ともにリラックスさせることができるのですが、種類や飲み方には少々注文があります。
まず、お酒の種類ですが、ビール・日本酒・ワインなどの【醸造酒】はリラックス効果よりも“酔い”の方が強いので、私はあまりオススメしません。
一方、焼酎・ウイスキー・ブランデーなどの【蒸留酒】は酔いよりも“弛める”方が強いので、リラックス効果を求める方には断然、蒸留酒がオススメです。
次に飲み方ですが、ビールなどの冷えたお酒はつい飲み過ぎてしまいます。お酒というものは“ゆっくり、味わって飲む”ことが大切で、ガブガブ飲むと後になってドカッと効いてくる。だから、日本酒でもお猪口で飲んでいる分には害は少ないが、コップで飲むようになると身体を壊します。
その点、ブランデーの飲み方というのはお酒の飲み方の理想です。手で温めて、匂いをかいで酔う。匂いの合間に少しなめてみる。グラス一杯か二杯を1時間もかけて飲むというのが常識なのです。更にいい按配にブランデーは値段が高い。そんな高いものを惜しみながら、味わって飲めば百薬の長となります。
天才整体師 野口晴哉も「酒を飲むということは、身体を弛めるという目的では非常に有意義です。しかし、私の推奨できるのはブランデーだけです。ウイスキーや焼酎もブランデーのごとく飲むならばよい。しかし焼酎の欠点は値段が安いこと。安いからたくさん飲んでしまうという要素をもっている。お酒というものは、惜しがって飲んで効力を発揮するのです」と著書に記しています。
また、当院の患者さんで肝臓の数値が高い方がいるのですが、かかりつけ医に「冷たい酒は飲み過ぎるから止めて、温かい酒を飲みなさい」と言われたそうです。やはり、冷たいお酒はグビグビいけるので、ついつい飲み過ぎてしまう。そして後になってドカッと肝臓に影響がでるようです。
私も酒飲みの患者さんに対しては「酒代はそのままで、量を減らしてください」とアドバイスしています。つまり、質の良いお酒を程々にということ。高いお酒は余程のお金持ち以外、惜しみながら、ゆっくり味わって飲みますからね。そういう飲み方が出来れば、お酒は百薬の長となるのです。