真の食養生
“食養生”というと「○○を食べると良い。○○は食べてはいけない。」と世間ではよく言われています。
しかし、動物の中で人間だけが色々な物を工夫して食べることで、世界中どこにでも住めるようになりました。だから、本当の食養生とは、むしろ食べられる物を増やすことにあるはずなのに、「あれはいけない。これもいけない。」なんて言うのはどこか可笑しいとは思いませんか?
私は“食べる”という事に関しては、食べ方を重視しています。例えば、人間はお腹が空くとついガツガツ食べてしまう。胃袋がよく働く時はガツガツ食べてゴクンと飲み込んでしまいます。しかし、お腹が一杯になってくると、自然にゆっくりと食べるようになります。
お腹が空いた時は、ガツガツ食べた方が美味しいですよね。それなのに「ゆっくり食べろ!とか、丁寧に噛みなさい!」と言われ、その通り実践していると、実はどんどん胃袋が弱くなっていく。遂にはよく噛んだ物でないと消化できない胃袋になってしまいます。だから、よく噛んでゆっくり食べた方がよいとは一概には決めつけられない。
ただし、野菜類はよく噛んで食べた方がよいです。牛や馬はゆっくり食べて反芻していますよね。それなのに人間はミキサーでジャーッとやって飲みこんでしまう。野菜類は唾液をよく混ぜてあげないと血にならないものなのに…。野菜ジュースやスムージーであっても、よく噛んで唾液を混ぜてから飲み込むのが食養生です。
さて、本当の食べ方を知っているのは、頭でなく身体ということになります。心を平静にして、身体の要求に従ってゆけば、食べ方というものも自ずと決まっていくのですが、世の中には「痩せたい人」や「太りたい人」がたくさんいるのも事実。そこで、それぞれにオススメの食べ方をお教えしましょう。
まず、太っている人というのは胃袋がよく働くので、常にガツガツ食べます。ゆえに、ゆっくり食べるよう努力すれば、胃袋の働きが徐々に穏やかになっていき、無理なく痩せられます。
反対に、痩せている人というのは胃袋の働きが弱いので、常にネチネチ食べます。ゆえに普段からガツガツ食べるよう努力すれば、胃袋もつられてガツガツ働くようになり太っていきます。
このように、人間は食べ方一つで胃袋の働きを強くする事も弱くする事もできるのです。俳優さん達が役柄によって、自由自在に太ったり痩せたりすることができるのがその証。皆さんも、「食べ方」という養生を意識してみてはいかがでしょうか。