春先の不調に「内関」
東京は一昨日、日中の気温が22℃まで上がったかとおもえば、翌日には7℃までしか上がらないという、ジェットコースター気候でした。
こうなると、患者さん達が口を揃えて言うのが「最近は温度差が激しくて身体がついて行かないわよね」という言葉。対する私の返事はいつも同じで、「環境変化に適応していかないと、自然界では淘汰されてしまいますから、頑張ってついて行ってくださいね!」です。すると…だいたい皆さん、固まってしまいます(笑)。
そうは言っても、そんな季節の変わり目に体調を崩している人達をサポートするのも私の仕事ですから、厳しい事ばかりも言ってはいられません。特に中高年は季節の変化への適応力が低下しているため、自律神経のバランスが崩れ、めまい・動悸・血圧不安定・不眠・プチ鬱・イライラなどの症状が起こりやすくなります。
そこで、自律神経の乱れに効く心包経の「内関」というツボをお教えしましょう。心包経とは、心を保護する役割を担っており、精神不安・動悸息切れ・吐き気・ストレス過敏など、神経系の症状に有効な経絡です。
「内関」は手首の内側の皺から指3本上、2本並んで走っている腱の間に取ります。今週は患者さんの「内関」を鍼で刺激したり、置き鍼というシールの鍼を貼って調整することが多かったですね。
この置き鍼は患者さんに販売できるタイプの物もありますので、ご希望の方は来院時にお伝えください。
いや、今すぐ「内関」に貼りたいんだ!という人は、ドラッグストアに売っているスポールバンを貼るとよいでしょう。置き鍼ほどではありませんが、効果がありますので代用してください。
また「内関」は乗り物酔いに効くツボとしても知られています。私は子供の頃、乗り物に弱かったので “酔い止めバンド” というものを手首に巻いてバスに乗っていました。この酔い止めバンドを装着すると「内関」にプラスチックボタンが当たる仕組みになっています。この仕組みが神経の緊張や吐き気を和らげ、乗り物酔いに効くとされています。
偶然なのですが、この “酔い止めバンド” の開発者が当院の患者さんにいまして、「内関で儲けさせてもらったよ(笑)」と言っていました。私が使っていたのが小学生の頃ですから、40年以上も売れ続けている、知る人ぞ知るロングセラー商品です。このリストバンドを巻いておくのもよいでしょう。
皆さんも「内関」を刺激して、季節の変わり目を乗り切ってみてはいかがでしょうか。「温度差に身体がついて行かない」なんて繰り返し言っていると、本当に体調を崩してしまいますよ。言霊とはそういうものなのですから。