冷えると 強情になる
1月20日は一年のうちで一番寒さが厳しいといわれる二十四節気の大寒でした。この時期は冷えからくる体調不良を訴える患者さんが多くなります。
先日も中耳炎と腰痛で来院した患者さんに、「身体がかなり冷えていますから、タイツや股引を履いてくださいね」とアドバイスをすると、「ゴワゴワするから嫌なんだよね」とのお返事…。普段は素直に聞いてくれる方なのですがどうしたのでしょう。
人間は冷えが入ると強情というか、相手に対して反発するようになります。だから、この患者さんには間違いなく強い冷えが入っている(笑)。
冷えの度合いが弱ければ、本音は履きたくないと思っていても「頑張って履くようにするよ」と口先では言えるもの。強い冷えは人間の性格までも変えてしまうのです。
また、子供は冷えが入ると大人の言うことを素直に聞けなくなります。
私も子供の頃、父に叱られ、不貞腐れてドアを蹴飛ばしたことがありました。その行為に激怒した父は私を担ぎ上げ、真っ暗な倉の中に放り込みました。
雪がチラチラと舞う寒い日でしたから、私の身体に強い冷えが入っていたのでしょう。父に逆らったことなど無い私がなぜか反抗的な態度を取ったのも、今考えれば冷えが原因だったように思います。
ちなみに、その後、すぐに祖母が鍵を開けて倉から出してくれましたから、虐待ではありません(笑)。躾けの範疇ですから、くれぐれも誤解の無いように。
さて、強情や反抗心以外にも冷えが身体に入ると次のような症状が現れます。
•表情筋の動きが鈍くなる(表情が乏しくなる)
•いびき(鼾)が大きくなる
•鼻水、鼻づまり、しゃっくり
•中耳炎、副鼻腔炎、膀胱炎
•腰や膝の痛み
•手足のしびれや痙攣
•急な腹痛や下痢
これらの症状がでたら身体に冷えが入っている可能性が高いので、先ずは下半身を手厚く履いてください。そして、栄養のある食事をとり、温かいお風呂に入って、たっぷりと眠る。そうすることで徐々に冷えが取れ、上記の症状は薄らいでいくことでしょう。
しかし、これらの養生をしても症状が改善しないという時は東洋医学の力をかりましょう。陰陽のバランスを取ったり、気血の流れを整える東洋医学は冷え改善の一助となります。