正月太りは解消するな!
今年は元日から地震、航空機事故と波乱の幕開けとなりましたが、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
この正月、久しぶりに会った母がこんなことを言っていました。
「検査で引っ掛かった血糖値とコレステロール値を下げようと、食事に気をつけていたらフラフラしてきた。これではいけないと、元に戻したらフラフラが治った」と。
メタボリックシンドロームの人が食事を制限するのなら解りますが、私の母は痩せ型。そんな人が食事を減らしたらフラフラになるのも当然でしょう。
世間では薬を飲ませるために、又、サプリメントを売るために、“血糖値・コレステロール値・血圧は高くてはいけない。下げなければならない”との情報が過剰に流されています。テレビが主な情報源の高齢者はまんまとその罠に嵌まってしまうというわけですね。
私が診ている限り、この三つの数値は基準値を少し上回っている人が一番元気です。つまり、基準値が様々な医療利権によって低めに設定されているのです。だから、いくら長生きができても、「あれもダメ」「これもダメ」というふうに自分に制約ばかり与えていたら、苦しいばかりで生きているのが辛くなってしまう。もちろん、元気に動き回るためには、身体のことを気遣って我慢しなければいけないこともあります。しかし、それは少なくとも健康常識に振り回されたり、検査結果に一喜一憂することではありません。目指すべきは、誰もが願っている、亡くなる直前までピンピンした状態で生き、コロリと逝くことなのです。
その、ピンピンコロリという言葉は長野県で使われ始めたとされています。滋賀県と並んで長寿の長野の人達は、亡くなる直前の寝たきり期間が短く、一方で100歳以上の人はそれほど多くないという特徴があります。元気に適度に長生きして、最期にコロリと亡くなる。そのような人が多いことから、ピンピンコロリという言葉が使われ始めたようです。
死ぬことは、私達にとって避けられない宿命です。そうであれば現代医療が正常と称している基準値に合わせることに努力するのではなく、自分の人生を実りあるものにすることに精力を注ぐべきではないでしょうか。そして、そのような目標を立てたならば、あとはその目標に向かって邁進するのみなのです。
元日に起きた能登半島地震で被災した方々には心からお見舞い申し上げます。しかし、明日は我が身。寒さや食料不足に耐えて、生き残るためには適度に脂肪を蓄えていないといけないと、この地震で痛感しました。冬山でも遭難した場合、生き残るのは女性が多い。つまり脂肪を蓄えている人だといいます。やれ、血糖値が高い!コレステロール値を下げなきゃ!などと言っていられるのは、平和な時代だけの空理空論なのではないでしょうか。