幸せホルモン「グレリン」
食欲の秋ですね。さて皆さん、食べ物を美味しいと感じるのは舌と脳があるからだと思っていませんか?
実は胃で作られるあるホルモンのお蔭なのです。その名を「グレリン」。胃で九割以上作られるグレリンが摂食中枢を刺激して食事に伴う幸福感を脳に伝えます。だから胃を摘出してしまうとグレリンがほとんど出なくなるので、この幸福感や食の喜びを失ってしまうというわけです。カナダの医学者であり、医学の基礎を築いたウイリアム・オスラーが「人を幸せにするのは胃袋である」と言っているように、食事の時の満足感、幸福感は舌ではなく、胃が脳に指令として伝えているのです。
一方で胃は心を写す鏡であると言われるほどデリケートな存在。だからストレス社会で生活する現代人は胃の不調を訴える人がとても多いですね。そこで、現代人の胃を元気にしてグレリンをたくさん出して幸福になれるとっておきの方法をお教えしましょう!それは「感謝して、何でも美味しくいただく」ということです。もちろん食事のバランス等の栄養学的なことも大事なのですが、それらは二番目以下ということです。
先日も栄養士の患者さんが「感謝して食べるんですよ!と常々子供達に言っているのに、言っている当の私はどれだけ感謝の気持ちを持って食べているのだろうか…」と言っていましたが、この飽食の時代に有難みを感じ続けることは確かに難しいです。しかし、そんな時代だからこそ、「何でも美味しい、美味しい」といただき、グレリンをたくさん出すことが人生の満足感や幸福感に繋がり、胃袋だけでなく身体までも元気にしてくれるのです。