「禅と美 」~スペインからのまなざし~展
駐日スペイン大使館において開催されている「禅と美~スペインからのまなざし~展」を観賞しました。
展示室のパネルには「スペインはキリスト教と騎士道の文化が長く栄え、日本は禅と武士道の文化が盛んでした。そして両国に共通するのは人間の “精神” を何よりも大切に考えているということでしょう。」と書かれています。
確かにスペインの哲学者 ミゲール・デ・ウナムーノは「飛行機や自動車などという、あんなものは英米人に作らせておけばよい。我々スペイン人は魂の問題を考えているのだ。だから彼らよりも格が上なのである」と民族の誇りを語っていますし、日本の小説家 三島由紀夫は「人間の肉体でそこに到達できなくても、どうしてそこへ到達できないはずがあろうか」と著書に魂の憧れを記しています。
そんなキリスト教的・禅的 “精神” が宿った作品が数多く展示されいました。中でも臨済宗円覚寺派の横田南嶺管長が「至道無難禅師というのは書で残っているのは本当にわずか。しかもこれは逸品です。これを拝見できただけでも喜びです」と仰っていた「閑」は必見です。至道無難は禅の始祖であり、その人間性はただ崇高という他はない求道の怪物であったといいます。日本という国はそんな求道の人物がたくさんいた美しい国だったのです。
物質文明の終焉を告げるかのように今や禅は世界に日本の「ゼン」の名で広まっています。新しい霊性文明の幕開けにあたって必見のゼンアート展に皆さんぜひ足をお運びください。
「禅と美~スペインからのまなざし~」展は11月24日までスペイン大使館にて開催されています。
「禅と美~スペインからのまなざし~」展公式サイトはこちら