アドレナリン
プロ野球日本シリーズ、阪神タイガースVSオリックスバファローズが盛り上がりをみせていますね。そんな熱戦をテレビ観戦していたら、解説者が「アドレナリンが出ていますね。凄い集中力です!」と言っていました。
アドレナリンとは腎臓の上にナポレオンの帽子のような形をして乗っている “副腎” から分泌されるホルモンで、強い興奮、驚き、恐怖によって分泌が起こります。
よくスポーツ選手が試合中に「アドレナリンが出る」という表現をしますが、アドレナリンは筋肉の興奮性を高め、疲労を防ぐというパフォーマンスの向上作用があります。その一方で、血圧や血糖値の上昇など、身体に負担をかけてしまうという両刃の剣でもあるのです。
例えば、アドレナリンが分泌過剰になると末梢血管が収縮し血圧が上昇します。それを頻繁に繰り返していると血管が早く硬化してしまう。また、血液中の糖分が増加して血液が酸性化し(血液は弱アルカリ性が理想)、バクテリア等に対抗する血液の抵抗力が弱まり、病気にかかりやすくなってしまう。あまり知られてはいませんが、血圧や血糖値が高くなるのは塩分や糖質の取り過ぎだけが原因ではないのです。
だから、健康的に人生を生きる為には「怒らない」 「恐れない」 「悲しまない」ということがコツです。これら感情をコントロールしないと、その度に交感神経が興奮し、副腎からアドレナリンが分泌されてしまいます。カッと怒ったり、ハッと驚いたり、悲しんでばかりいると、知らないうちに私達の身体細胞には様々な破壊作用が生じているのです。
そうは言っても、私だって腹が立つことはあります。ただ一般人と違うのは「あっ、今、俺怒ったな」と思った瞬間、周りに分からないうちにパパッと消してしまう。だから、患者さん達には「いつも穏やかで変わりませんね」と言われるのですが、変わらないように努力してるんです(笑)
しかし、一般人は怒りだしたらそれはそれは派手です。第三者にわかるようにやりだします。そして、肝腎な所ではたいして辛抱強くもないのに、そういう時だけは実に念を入れて長く続く(笑)。これを執着というのですが…。
人間は執着などにこだわってヘンテコな顔してるよりも、いつもニコニコしている方が周りにも迷惑をかけないし、他人からも好かれると思いませんか。とりわけ、男がちっぽけな事で直ぐに怒るなんて所詮、人間がちっぽけなんです。
やる気を出すホルモンでもあるアドレナリンは仕事や勉強・読書、家事労働など集中力を発揮する時に出すもの。「怒・恐・悲」などに四六時中出していたら身体を壊してしまいますので、皆さん、アドレナリンにはくれぐれもご注意を。