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私の相棒

提鍼
東洋医学の鍼治療には大きく分けて刺入鍼法と接触鍼法があります。
刺入鍼法とは豪鍼を使って皮膚に刺す方法をいい、主に血(けつ)を調整します。一方、接触鍼法とは提鍼(小児鍼)を使って皮膚に接触させる方法をいい、主に気の調整に用います。

先日、提鍼を使って患者さんに接触鍼をしていると、「ビリビリ感じるんですけど、それは何ですか!」と聞かれました。この提鍼に限らず金属類は気を集める性質があるため、感覚の鋭い患者さんはビリビリと気の流れを感じることができます。そして、気の滞りがなくなると人間が本来持っている自然治癒力が発動します。

その金属の特性を用いた例が昔のお通夜です。亡くなった人を地球の磁場に沿った北枕に寝かせ、お腹の上に刀を一晩乗せておく。北から流れこむエネルギーを金属の刀で増幅させて身体に通すと生き返る人がいました。だからお通夜の習慣が残っているのです。実は当院の施術ベッドも北枕。そして金属の鍼を使って施術を行い、北から流れるエネルギーを増幅させて患者さんに通せるようにしています。ちなみに風水では北枕が疲労回復によいとされ、特にヨーロッパでは北枕で寝る人が多いようですね。

また、私の祖母は晩年、体中に一円玉と十円玉を貼って自分で身体を調整していましたが、これも金属が気の流れを調整する性質を利用していたのでしょう。病院嫌い、薬嫌いでしたが、88歳でピンピンコロリと逝きました。しかし残念ながら、この十一円療法の極意は伝授してもらってはいませんので、ご興味のある方は独学で勉強してください(笑)

このように金属というものは気やエネルギーとの関係がとても深い。ゆえに気とエネルギーを重視した私の施術には“提鍼”がなくてはならない相棒なのです。

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