ご先祖様を想う
昨日はお盆の送り日。お盆休みで実家の仏壇に手を合わせに行ったり、お墓にご先祖様を送りに行かれた方も多かったのではないでしょうか。お盆は正式には「盂蘭盆会」といいます。それぞれの家に先祖の霊が帰ってくるとされ、13日には家や門の前で迎え火を焚いて先祖の霊を迎え、16日には戻って行くので再び送り火を焚いて道を照らします。
私は30代の頃、このお盆で帰省した際にこんな体験をしました。
その日は前日に従兄弟達とゴルフに行ったせいか、朝から腰が痛くて仕方ない…。しかし、どうしてもご先祖様をお迎えに行く前にお墓を掃除したかったので、雑草を取り、墓石を磨いていました。そして、「よし、キレイになった!」と掃除を終えた瞬間にふと気付いたのです。
「あれっ、腰痛が治っている…」。こういった体験は初めてだったので驚きました。しかし、後から冷静に振り返ってみると、ご先祖様のご加護をいただけたのには、ちゃんと理由があったのです。
それは 「お墓をキレイにしたい」 ただその一心で、自分の腰痛のことなど省みず行ったということです。人間というのは自分の事ばかり考えているとエネルギーが内向きになって燻り始めます。反対に自分以外の何物かに向けてエネルギーを発していると、宇宙からのエネルギーが流入してきて回転を始めます。感覚的には、スーッと澄んだ何物かが体内に満ちるとでも言いましょうか。
そして、この翌日から私は毎朝、ご先祖様の顔を思い浮かべ、手を合わせるようになりました。
当院の患者さんでも、先祖をとても大切にしている一族がいますが、皆、人生が拓いています。子供達は仏壇に手を合わせてから学校に行っていたというし、大人は時間があれば写経をしている。本人達は当たり前のことをしているだけだと言いますが、なかなか出来ることではありません。
皆さんも「今の私があるのは、ご先祖様のお蔭です」と思い浮かべてあげてください。きっとご先祖様もお喜びになられることでしょう。