冷え症は 夏に治すべし(2)
「冷え症」とは、身体の“ある部分”と“ある部分”の温度差が大きいことをいいます。
例えば上半身が温かくて下半身が冷たかったり、体幹部が温かくて手足末端が冷えていたりすれば、その状態を「冷え症」と呼びます。つまり、冷えとは体内の温度差によって生じる相対的なものなのです。
だから、「冷えている所を手厚く覆ったり暖める」ということは全身の温度差がなくなり、冷え症対策としては理に適っているといえます。しかし、いくら覆ったり暖めてもなかなか冷え症が改善しないという方も多いのではないでしょうか。
先ほど“冷えとは体内の温度差によって生じる相対的なもの”と言いましたが、身体というのは冷えている所があれば反対に温かくなっている所が必ずあるのです。その温かくなっている所の熱を奪ってあげれば、体内の温度差が減る。つまり、熱を奪うことで全身の温度差をなくし、冷え症を改善するという逆転の発想です。では、体内で熱を持ちやすい所は何処なのか。
まず一番血流を要求する所は“脳”です。脳は多量の血液を要求し、熱を持ちやすい臓器の代表です。だから脳に血液をたくさん送ると手足末端の血流が足りなくなります。頭脳労働者や神経質な人に冷え症が多いのは頭に血が集まっているから。また、赤ん坊の手が温かくなってくると眠るのも、頭に集まっていた血液が手足に散るためです。
このように、現代は脳が鬱熱している人がとても多いのです。そこで私がオススメするのは「氷水の入った氷嚢を頭や首肩にあてることで、全身の温度差をなくし、冷え症を改善する」という方法です。
頭に氷嚢を乗せたり、首肩に氷嚢をあてるなどして、頭や首肩に集まっていた血液を手足末端に散らしてあげましょう。
ちなみに、氷嚢に入れる氷と水の割合は「氷9に対して水1」です。氷と水をよく混ぜてから使用してください。冷却時間は1時間程度、毎日やるのが効果的です。
いくら温めてもなかなか冷え症が治らないという方は、この逆転の発想を夏のうちに試してみませんか?冬だと皆さん嫌がりますからね(笑)