冷え症は 夏に治すべし
暑くなってくると“冷え”が気にならなくなるという人は多いですよね。そうすると、「ま、いっか」となるのが人情。しかし、冷え症を改善するには夏がよいのをご存じでしょうか。
漢方には「冬病夏治」という言葉があります。これは、冬の病気は夏の間に治しましょう!ということ。冷え症はもちろん、喘息、気管支炎、リウマチなどもそうですが、冬病とは冷えや寒さによって悪化する病気のことを言います。
寒い時期、体は自らを冷えから守ることに忙しくなります。言い換えると、体そのものに余裕がなくなるということ。だから、冬になってから一生懸命努力しても冷え症はなかなか改善しません。そんな毎年繰り返す冷えの連鎖を断ち切るには、夏こそがチャンスなのです。
冷えの根本的原因になっているのは血流不足。血液には熱を運ぶという大切な働きがあるので不足は熱が全身に行き渡らず、冷えにつながってしまいます。この血流不足を改善するには、血を増やす食事を摂る事が一番大切です。
BTSを始め、世界で活躍する人を多く輩出している韓国では参鶏湯(サムゲタン)を夏場に食べる習慣があります。食べる漢方薬といえるほど栄養価が高い参鶏湯で夏場に滋養強壮をはかるためです。参鶏湯に使われる鶏肉・高麗人参・栗・もち米・ナツメなどは胃腸の力を高めて血を補ってくれます。
特に鉄分やたんぱく質が豊富な鶏肉は、お肉の中でも血を作る力が高く、かつ手に入りやすい食材。しかし、家で参鶏湯を作るのは難しいので、代わりに骨付きの鶏肉を使用したスープがよいでしょう。骨の部分は血を作る力が高いですからね。夏は鶏肉をトマトスープやカレースープでさっぱりといただくのがオススメ。毎年、冷え症で悩んでいる人は、この夏のうちに血を増やし、冬に備えてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、冷え症改善に効くツボですが、足の内くるぶしの凸から指4本分上にある「三陰交」の指圧やセルフ灸が効果的。このツボは陰経である脾経・肝経・腎経が交会するがゆえに三陰交といい、この一穴でもって三経に影響が与えられるツボ。陰陽説では血は陰(気は陽)に属しますから血流改善効果が期待できます。こちらも寒くなってからではなく、夏のうちから始めましょう。