正しい寝方は、仰向け?横向き?うつ伏せ寝?
「春眠 暁を覚えず」といいますが、今年の私は花粉症による目鼻の痒さで朝方目が覚めてしまい、暁を覚えずとはいかないですね…。しかし春の夜というのは、寒くもなく、暑くもなく、この諺のように気持ちよく眠れるものです。
さて、この気持ちよく眠れるというのは、実は“寝返り”が上手に打てているということでもあるのです。
人間は寝ている間、固まっている箇所を無意識に動かして楽になろうとします。布団に入ってリラックスした状態になると身体がビクッとするのは、そういう箇所をゆるめようとしている。だから、ビクッとした後はよく眠れるのです。横になると咳が出るのもこれと同じ。疲れて固まった背骨や肋骨を咳でゆるめ、楽にして眠ろうとするのです。これらは瓶の中に入っている固まった砂糖や塩が瓶を振ることで砕ける理屈と同じです。
また人間は、悪い箇所を下にして眠ります。例えば、肝臓が疲れているときは右下、心臓が疲れているときは左下。そもそも臓器というのは小さい方が働きが良い。膨らませすぎた風船は伸びきって元に戻らなくなりますよね。臓器も同じで、小さい方がうまく収縮して機能するのです。だから食べ過ぎて胃が大きくなっていると、うつ伏せになり圧迫して小さくして働かせようとする。病院で重症の肺病患者を、うつ伏せで寝かせておくのも肺を小さくするためです。
ちなみに、バンザイをして寝るというのは頭や腕が疲れている人です。大胸筋や上腕二頭筋をゆるめることで眠りやすくなります。
世間では「やれ、仰向けだ、横向きだ、うつ伏せ寝がいい!」等々、色々言われていますが、そんなことを考えて寝るから具合が悪くなる(笑)。だから、本能の赴くままに自分が楽な姿勢で寝るのが一番良いのです。子供みたいに、どんどん寝返りを打ち、無意識に悪いところを調整し、朝仰向けで目が覚める。これが一番良い寝方なのです。