五十肩の予防法
今年も残すところあとわずか、大掃除に勤しんでいるいう方も多いのではないでしょうか。大掃除といえば普段やらない「拭き掃除」がメインになりますが、この拭き掃除、実は五十肩の予防や改善にとても効果があるのです。
五十肩は正式名称を“肩関節周囲炎”と言い、肩が上がらない、後ろに回らない、夜中に痛むなどの炎症疼痛症状がでます。では、なぜ炎症がおきてしまうのかを簡単に説明いたしましょう。
人間は二足歩行で生活していますから、上肢(うで)は常に“ぶら下げた状態”になりますよね。50年間ぶら下げているとどうなると思いますか?重力に引っ張られて上肢が肩からわずかに抜けてくるのです。すると、年齢的にも衰え始める肩のインナーマッスルに張力が架かり続けるため、徐々に炎症がおこり始める。これが肩関節周囲炎、いわゆる五十肩というものなのです。
上肢が肩から抜けることが原因でおこるのですから、単純に押し込んであげればよい。この押し込む力が丁度いい加減で働くのが「拭き掃除」なのです。窓なり壁なり床なりを適度に押しながら拭くこの動作は抜けかけた上肢を肩に押し込み、周辺のインナーマッスルも鍛えられるという一石二鳥。インナーマッスルが鍛えられれば肩から上肢が抜けにくくなるため、五十肩の予防や改善につながるのです。当院の患者さんを診ていても、床や畳を毎日拭いているという女性に五十肩が少ないという傾向があります。
肩のインナーマッスルのトレーニングと思えば拭き掃除も愉しくできますよね。そして、キレイになった家には一年の福徳をもたらす“年神様”が訪れることでしょう。皆さん、良いお年をお迎えください。