副鼻腔炎にご注意を!
冬の到来を感じさせるここ数日。この“凍みる”季節になると増えてくる症状があります。先日も「風邪をひいた後から、顔面が痛くて…」という患者さんが来院しました。ベッドに腰掛け、両足の間に頭を入れるように下げてもらうと「痛みが強くなる」と言います。これは風邪による鼻粘膜の炎症が副鼻腔の粘膜に波及した副鼻腔炎というものです。
副鼻腔炎とは鼻の周りにある4つの空洞に炎症がおこる症状で、慢性化すると蓄膿症になります。蓄膿症は膿性の分泌物がたまる病気で、鼻づまりがひどく、顔面の痛みや頭痛も起こります。また、昔は「蓄膿の子は頭が悪い」と言われていたように、頭がボーっとして集中力がなくなったり、記憶力が低下する事ということもあります。
ではなぜ、鼻がつまると頭がボーっとしたり、集中力が低下するのでしょうか?
実はこの4つの空洞(副鼻腔)には鼻から吸い込んだ空気か通ることで、近くにある脳の温度を下げるという大切な役割があるのです。これは走っている自動車がフロント部分から空気を取り入れてエンジンを冷やす構造と同じです。脳もエンジンも使い続けると温度が上昇しオーバーヒートしてしまいます。だから人間は鼻から空気を吸わないといけない、口呼吸がダメだと言われる所以はそこにあるのです。
さて副鼻腔炎の施術ですが、鼻と関係している頚椎3番を調整したうえで、いわゆる“鼻すじ”と呼ばれる部分を指圧します。
また、肺経や腎経のツボを鍼や灸で刺激して経絡の流れを整えることで副鼻腔の炎症を散らします。
セルフケアとしては、足首部を手厚く履いたり、足湯で足首の冷えを取ります。昔の子供が青っぱなを垂らしていたのは現代よりも住宅環境が悪く足下が冷えていたからでしょう。また、ドラッグストア等で売っている「口閉じテープ」「鼻呼吸テープ」等を口に貼って寝るのも副鼻腔炎の予防にオススメです。
マスク生活が習慣化してしまった現在。鼻から冷たい空気が入ってこないと、副鼻腔には熱がこもり細菌が繁殖しやすい状態に…。脳の温度も上昇して頭も悪くなってしまいます(笑)。人の疎らな場所や屋外ではマスクを積極的に外し、口から濁気をゆっくりと吐き出した後、鼻から清気を吸いこみましょう!数回繰り返せばボーっとしていた頭がクリアになりますよ😊