「全身疲労」より「部分疲労」にご注意
私達はよく「疲れた」と言いますが、疲労には大きく分けて2種類があります。
一つは、引っ越しの手伝い等で肉体労働をしたときの「全身疲労」。そして、一日中パソコンとにらめっこをして目の奥や腕が痛くなったとき等の「部分疲労」です。一見、部分疲労よりも全身疲労の方が悪いように聞こえるかもしれません。しかし、実は部分疲労の方がずっと厄介なのです。というのも、部分疲労こそ身体に悪い歪みが生じている状態だからです。
疲れというものは、基本的には睡眠をとることで解消されていきます。全身疲労は均等に筋肉が疲れていますから、眠ることによってバランスよく筋肉がほぐれていく。つまり、夜中もグッスリという人が多いのです。ところが、部分疲労は筋肉によって緊張度合いが異なるため寝つけなかったり、十分に睡眠をとれたとしても、酷使した部分はほぐれきれずに残ってしまう。だから朝起きても何処か凝っているということになります。
当院ではこの「部分疲労」をマッサージと愉気(手当て)法を用いて緩め、筋緊張のバランスを取っていきます。特に目と頭をほぐしていると眠りに落ちてしまう患者さんも多く、「施術を受けた日はよく眠れる」という声もよくいただきます。長時間のパソコン仕事やスマホで凝り固まった部分疲労を全身疲労に変えてしまうというわけですね。
さて養生法ですが、昼は全身の筋肉をまんべんなく使うことを心掛けます。例えばデスクワークの合間こまめに席を立ったり、軽く踏ん張りながらパソコン仕事をするなどして首・腕・腰に偏る疲労を下半身にも分散させてあげるとよいでしょう。
また、通勤では一駅前で降りて歩いたり、あえて駅やマンションの階段を上り、下半身の筋肉を使っておくのも部分疲労の解消にはとても有効です。ちなみに肉体労働の方は読書等の頭脳労働をすると、心身バランスの維持に役立つといわれています。
このようにして全身が均等に疲れるように意識して活動してみてください。身体の歪みが最小限に抑えられるため疲労の回復が早く、翌朝は気持ちよい目覚めを迎えられることでしょう。