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心と体の健康維持

背中は語る

働く高齢者
整体の大家 野口晴哉氏は街で「お陰様でよくなりました」と患者さんらしき人から声をかけられ、「はて、どなただったかな?」と振り返り、後ろ姿を見た瞬間に「あぁ、○○さんだ!」と気付くことも多いと著書に記してています。
私も患者さんを“うつ伏せ”で施術することがあるので、当院の患者さんでしたら顔を見なくても後ろ姿だけで分かります。

この“後ろ姿”というのは実に多くの事を語ってくれます。例えば、面と向かっては元気な振りをしていても、施術で“うつ伏せ”になってもらうとションボリした背中をしていたり。「そんなに飲んでいませんよ」と言っても“うつ伏せ”になれば、背中の盛り上がり方でお酒を飲み過ぎていることが判ってしまったり(笑)。

また、最近はあまり聞かなくなりましたが「親の背中を見て子は育つ」という言葉があります。子供は親に口で言われて成長するのではなく、親の背中(行動)から何かを汲み取り成長するということですが、人の背中からは、そういった影響を与える気が溢れ出ているのです。

東洋思想家の安岡正篤氏は「人を観るときは、前より後ろから観るのがよい。前はつくろえるが後ろは誤魔化せないからだ。後ろ姿の淋しいというのは何よりもよくない。逆だと人間が出来たのだ。徳や力というものは先ず面に現れるが、それが背中、つまり後ろ姿に溢れるようになってこそ本物といえる。後光がさすというが、前光よりはよりは後光である」と言います。

皆さんも、いろんな人の背中を観察しみてください。「頼もしい背中」「疲れた背中」「怒っている背中」「愉しげな背中」などなど。希に「後光がさす背中」の方もいらっしゃいます。いろんな背中が、いろんなことを語っていますよ!!

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