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心と体の健康維持

“陰陽”ってなに?

陰陽
東洋医学では、世界のあらゆるモノとコトを「陰」と「陽」に分類して考える陰陽論という哲学があります。陰陽バランスは常に変動しており、陽が強くなればそれを抑えるように陰が強くなる。その逆もまた然りというように日々刻々と変わっています。

たとえば四季で考えると、春から夏にかけて徐々に陽気がたかまり夏至に「陽」が最大となります。そして秋から冬にかけては徐々に陰気がたかまり冬至に「陰」が最大となります。陰と陽はその勢いが最高点に達すると、相対する陽と陰に転換してバランスをとることで循環し続けているのです。

また現代社会で考えると、お金など目に見える物が「陽」、心や精神など目に見えない物が「陰」といえるでしょう。
先日来院した患者さんが、孫と一緒にテレビを見ていたら「お婆ちゃん、何で大人はお金のことばかりやるの?お金って面白いの?」と聞かれ、答えに窮したと言っていましたが、現代社会はすでに「陽」に極まっているのです。だから孫の言う事が正しい(笑)。
すでに物質的に満たされ、「陽」が極まっているのだから、これからの社会は更なる経済成長を求めるのではなく、心の豊かさや精神的向上を求める「陰」の時代へと転換されていくことが陰陽論からもわかります。近年頻発する自然災害や感染症の蔓延も、その陰陽バランスをとるための荒療治なのではないでしょうか。

さて、この陰陽論は人体に当てはめても考えられます。人は本来、夏には体内の陽が強くなりすぎないように発汗し、冬には汗腺を閉じて体温を保ち、陽が弱くならないように調整するなど、陰と陽のバランスを自然に維持する機能が備わっています。
しかし、そのバランスが極端に乱れ、自分の力だけでは調節が間に合わない場合は私達、施術家の出番となります。東洋医学では全身を流れる陰経と陽経、合わせて十二本の経絡を使って陰陽のバランスを調整し、元の健康な身体へと導きます。

このように「陰」と「陽」は世界のあらゆるモノとコトに作用して壊れないよう、持続できるようにバランスをとっています。
「陽 極まれば陰となり、陰 極まれば陽となる」 この自然の流れ(陰陽論)に沿って生きていくことが神ながらの道なのです。

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