先日、一年ぶりに来院した遠方の患者さんがいたのですが、以前よりも表情が柔らかくなり、身体バランスも改善していました。私が「随分と良くなりましたね」と言うと「一年前に来たときに、ボールを使って身体をほぐすと良いですよ」と言われたので、毎日寝る前にほぐしているとのこと。ボールを駆使して身体をほぐし、日々の疲れを取っていたそうです。

そのほぐし方ですが、一般的には２個のテニスボールを使用します。筋肉質や体格のよい方には少し大きめの軟式野球ボールがよいでしょう。
これら２個のボールを使って、まずは骨盤の要である仙骨とその周辺をほぐします。立位で行う場合は壁とお尻の間に、寝て行う場合は床とお尻の間にそれぞれ２個のボールを入れ、10秒程度圧迫します。ボールの弾力によって、お尻にイタ気持ちいい刺激が感じられる所を探して数カ所よくほぐしてください。
当院で施術を受けたことのある方はご存じかと思いますが、私はどのような患者さんでも必ず仙骨周辺をほぐします。それは仙腸関節の動きを良くするためで、この関節は様々な症状に影響を及ぼすとても重要な関節だからです。
このエクササイズを、日々続けていれば骨盤のクッション機能が回復し、腰痛や婦人科疾患をはじめ、様々な症状の改善につながることでしょう。


ちなみに私は読書などで目が疲れたら、２個のボールを左右の「天柱」または「風池」に当て、ズレないようにボールを手で支えながら仰向けに寝ます。頭と首の境目の関節は、うつむき姿勢などにより神経が圧迫されやすいところ。ここをイタ気持ちいい程度に刺激して頚椎をゆるめることは眼精疲労・頭痛・首痛等の症状を緩和します。こちらも是非お試しください。


このテニスボール調整法では仙骨とその周辺をほぐすことが重要なポイントになるのですが、肩甲骨の間や背中も同じように刺激してあげるとよいでしょう。足裏を強めにコロコロしても気持ちよいですよ。
テニスボールを使って身体を日々ほぐしていけば、荷重バランスが矯正されて施術効果がアップしたり長持ちします。皆さんどんどんボールを使って身体をほぐしてくださいね！