先日、患者さんから「先生はなぜ、ウエストに“くびれ“があるんですか？」と質問を受けました。その方はプロの美容家なので、私の身体を白衣越しに見ることができるのでしょう。私は自分のウエストのことなど、気にしたことがなかったので「なぜでしょうね」とその時は答えたのですが、後から考えると「これだ！」と思い当たる節が大いにあるのです。

それはスポーツ選手や音楽家を指導している 運動科学研究所長の高岡英夫氏 が提唱している「均等呼吸」という呼吸法を行っていることです。
皆さんは腹式呼吸といえば、吸い込む時にお腹を膨らませて行うものと思い込んではいませんか？しかし「均等呼吸」はお腹だけでなく、側腹や腰を意識して呼吸します。そうすると、実際に出入する空気量が多くなるので合理的な上、普段使っていない身体の奥のインナーマッスルが鍛えられるので結果的に胴回りが締まるのです。

私はこの呼吸法を自律神経を整えるため、丹田に気を下ろすために行っているのですが、思わぬところにも効果があったようです。改めて同世代の男性と比べると、確かに私の胴回りは締まっていますね😃 それは「均等呼吸」のお蔭だと思います。

この均等呼吸は、正座の状態で手の平をウエストから腰に当てながら呼吸をするとコツが掴みやすいでしょう。吸う時は胴回りの筋肉をグッと膨らませる。吐くときは胴回りの筋肉を収縮させる。初めは難しくても少しずつコツが掴めるようになります。




均等呼吸と同じことを、整体の野口晴哉氏は「背骨で息する」、古武術の甲野善紀氏は「肚腰(はらこし)呼吸」と言います。人間の身体の使い方を極めた達人は皆同じことを言うのです。故にこれが呼吸法の真髄なのではないでしょうか。