「瘀血 」は 万病のもと
前回のブログを読んだ患者さんから「瘀血とは、どのようなものでしょうか?」と質問がありました。
「瘀血」とは、血液がスムーズに流れず、身体の一部で滞っている状態をいいます。血液の滞りは細菌などの繁殖を容易にするため、血液が汚れやすくなり、頭痛・肩凝り・喘息・動悸・胃酸過多・便秘・各種婦人病・関節痛・うつ病・アレルギー等、様々な体調不良の原因となります。
一見健康に見える人の中にも、体質的傾向として「瘀血」が少なからずみられますので、ここで瘀血チェックをしてみましょう。
①月経痛がひどい
②目の下にクマができやすい
③肌がくすんでいる
④鮫肌である
⑤唇の色が悪い
⑥アザができやすい
⑦痔がある
⑧月経前にニキビができる
⑨手足が冷える
⑩肩凝りがひどい
上記は「瘀血」のある方に現れやすい症状です。6つ以上当てはまる方は要注意。また、瘀血の状態は舌を見ることで判別する事もできます。舌先を上歯の裏につけるようにすると舌裏に2本の太い舌下静脈が見えますが、瘀血が強い時はこの静脈がプックリと盛り上がります。
こうした血液循環障害は現代医学では全く取り上げられず、治療法も無いのが現状です。しかし、東洋医学に於いては昔から重要な病理思想の一つとしていたため、診断法や治療法が確立しています。
まず原因としては、遺伝体質・月経障害・産後経過不良・精神的ストレス・打撲外傷・手術・高熱等があります。
次に診断ですが、人体で一番血流が滞りやすい「大巨」というツボ (臍の指3本左・指3本下) を押してコリや痛みを感じるかどうかで瘀血の有無を判断します。
そして治療は血の流れを良くするツボ「中封」を使います。内くるぶしの指2本前の凹みです。私は鍼を使って気を注入するのですが、皆さんは指圧で凹みの底にある米粒程のコリをよくほぐしてください。その上で「大巨」にお灸をすえると瘀血解消に効果が期待できます。
このように、東洋医学では「瘀血」を重要視しており、全身に影響を及ぼす多くの病気のバックグラウンドと考えます。様々な治療を施してもなかなか改善しない慢性的な症状、それはもしかしたら「瘀血」が原因かもしれません。