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芸術

「 呪(JYU)の 心 」展

「呪」の心展
今週は、千代田区麹町にある戸嶋靖昌記念館で開催されている、執行草舟コレクション「呪(JYU)の心」展を鑑賞しました。

「呪」とは一種の魔力、不気味さを湛えていますが、元々は祝詞を表すものであり、「寿」の心を天へ届けることを意味します。だから、秀れた物は全てが 呪の心をもっている。太古には多くの物が呪物でしたが、近代工業文明による大量生産で ほとんどが 「ただの物質」となってしまいました。そして、現代の呪物は「芸術」と呼ばれる物の中にだけ残されていると言われます。

さて、展示室に一歩足を踏み入れると、今までとは明らかに違う空気感。まさしく魔力と言うべき、呪のエネルギーが私を包みます。西郷隆盛、山岡鉄舟、出口王仁三郎、コシノジュンコの作品をはじめ、呪物性の強い作品が多数展示されていました。

冒頭の写真は ≪朝吸木蘭之墜露 夕食秋菊之落英≫部分 伝 菅原道真です。この書は
同じ苦悩に生きた楚の屈原の詩「離騒」の中の一句を道真が書いたもので、共に歌人でありながら政治に深く関与し、対立勢力の陰謀によって追放されたという苦悩が紙幅を覆い尽くします。
また、展示室の中央には、その菅原道真の人生が創り上げたと言われている、熊川渓雲の「水鏡天神」が展示されていました。志 半ばで倒れた道真の魂の叫びを感ずる、小さいながらも凄まじい魔力を放つ木彫です。こちらも是非見て欲しいですね。

館長の執行氏は「神が物質の中に宿ると呪物になると言えます。コシノジュンコさんの作品などは、呪物性が物凄く強い。コシノさんが作ったものは、ネクタイにせよ、洋服にせよ、また絵画にせよ、同じ魔力的なものがあるのです。それが呪物ということです」と『ARTIS』のインタビューに答えています。
「呪」の心展
「呪(JYU)の心」展は2021年12月4日まで開催されております。皆さんも、魔力が満ちる呪の空間に ぜひ足をお運びください。

執行草舟公式Webサイト http://shigyo-sosyu.jp
BIOTECホームページ http://biotec1984.co.jp

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