先日、来院した患者さんと私の会話。

患「最近、腰が痛むんです。前は腰痛なんて全然無かったのに…」

私「毎日の生活習慣で最近何か変わったことはありませんか？」

患「飼っている犬が年老いてきて、散歩に行きたがらなくて。前は１時間位歩いてくれたんですけどね。だから最近は運動不足解消に自転車によく乗っているんです。」

私「毎日１時間歩いていたのが無くなり、自転車に乗る時間が増えたという事ですね。原因はそこにあると思います。」

環境にやさしく、健康の為に良いと言われている自転車ですが、実は健康面で意外な落とし穴があるのです。

皆さんは、競輪選手がトレーニング中にゴムチューブ等を骨盤にギュッと巻き付けているのをご存知でしょうか。自転車に腰掛けると、サドルからの”クサビ作用の力”が骨盤を割る（開く）ような形で入る。これを頻繁に繰り返していると骨盤が広がり、腰痛をはじめ様々な不調が生じてしまいます。だから、競輪選手は腰痛等を防ぐために骨盤を締めてトレーニングしているのです。
また、ある女子高の保健体育の先生が「生理痛の有無」についての無記名アンケートをとったところ、自転車通学の生徒に生理痛が多いという結果がでました。毎日自転車に乗ることで骨盤が少しずつ開いてしまい、生理痛の原因になることは十分に考えられます。高校生くらいの年頃は身体を完成させるのに最も大事な時期ですから、自転車よりも、どんどん歩いて骨盤を締めていただきたいですね。

反対に、自転車をやめて歩くようになって身体が良くなった患者さんもいます。その方は股関節の痛みで足を引きずっていたのですが、自転車通勤を止めていただき、職場との往復３０分を毎日歩いてもらいました。そして１年後、股関節の痛みはほぼ無くなり、歩き方もスムーズに。自転車をやめ、毎日歩くことで、この患者さんは広がった骨盤を元の位置に締め直すことができ、結果的に股関節も良くなったのです。このように骨盤を締め直すということは身体全体に良い影響を及ぼしますので、整体的にはとても重要なポイントなのです。

皆さんも、歩きたくなってきたことでしょう！そこで骨盤を締める歩き方のポイントをいくつか紹介します。

①やさしい歩き方（ソフトヒールタッチ）でなるべく平坦な道を歩く

②足先の向きは、１本の線を挟むように真っ直ぐ出す

③慣れてきたら、少しずつ歩幅を広げていく

④肘は軽く曲げ、前ではなく後ろに引く

しかし、日常生活でどうしても自転車を使わざる終えないという方もいると思います。そんな方は自転車に乗ったら、乗りっぱなしにしないで、少し歩くかスクワットを数回やって骨盤を締め直してください。その一手間を掛けられれば、健康を保つことが出来るでしょう😊

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