敬老の日に思う🎌
9月20日 (敬老の日)の早朝、テレビをつけると小柄ながらも背筋の伸びた美しい姿勢のお婆さんが映りました。「瀧島です。宜しくお願いします!」大きな声と素敵な笑顔で現れたこのお方。御歳90歳、日本人最高齢のフィットネスインストラクター瀧島未香さんです。その滑舌のよい話し方と若々しい身体の動きは90歳とは思えず、早朝の散歩から始まるという知恵が詰まった1日をつい見てしまいました。
世の中には凄い人がいるものだなぁと思うと同時に、葉隠の「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」という言葉がフッと頭をよぎりました。強い意志と工夫次第で人間はこれ程の気力と体力を維持することが出来るんだ。もし私に長生きする運命があったならば、是非こうありたいと思いました。
また、最近読んだ執行草舟著『超葉隠論』には 【昔の年寄りは「働いている息子夫婦には絶対に迷惑をかけない」という思いが物凄く強かった。思いというよりは決意ですね。周りは「お婆ちゃんは、最後は食べられなくなって…」と言っていましたが、お婆ちゃんは「食べなかった」んだと思います。武士道とは、何も偉いことをすることでも何でもないのです。一昔前の普通の良識ある日本人の当たり前の生き方であり、また死に方なのです】 と書かれていました。
実は私も以前から「ピンピンコロリできるよう努力はするが、万が一、人の世話になるような身体になったら俺は断食に入る」と妻に伝えてあります。『超葉隠論』を読んで、私は日本人の当たり前の生き方である ”武士道” との答え合わせができたようで、何だかとても嬉しかったですね。
老というと最近ではすっかり良くないイメージが付いてしまっています。ところが本来、老は「知恵者」であるとか「徳の高い人」という意味なのです。経験に裏打ちされたうまい知恵がある。その知恵で人が進むべき道を示してくれる。それが老なのです。90歳のインストラクター瀧島未香さんの凛とした姿と、死を前に自ら食べることをやめたという昔の年寄りの話は、私に人が進むべき道を示してくれました。秀れた老人に改めて敬愛の気持ちを抱いた敬老の日でした。