アイシングの勧め2
連日の猛暑で、夜も寝苦しいという方も多いのではないでしょうか。東洋医学では不眠を次のように考えます。
人体の陽気(熱気) は脾胃で製造され、肺に昇って全身を巡る。昼間は陽の部位を巡って、頭や目などの諸器官を働かせている。そうして夜になると陰の部分に入る。それで眠れるのです。しかし、何らかの原因で陽気が陰の部位に入れないと、頭や目に陽気が残っているために眠れなくなるのです。また、老人になると陰(肝や腎)が弱り虚熱が発生する。その熱が早く頭や目に昇るので目が覚めてしまうのです。
当院の患者さんでも、精神的な不安や葛藤を抱えている人は、脳が多くのエネルギーを消費するため、常に血液が頭部に集中したままになり不眠を訴えます。また、普通の人でも学業や仕事で複雑な思考をしたり、大脳の活性化が要求されている時などには、頭が熱くなって反対に手足が冷える事があります。これらの場合、頭部を冷やして熱を捨てるのを助けてあげれば、眠れるようになったり、手足の循環も回復してくるのです。
昔の人は「赤ちゃんの手が温かくなってきたから、もうすぐ寝るわよ」と言いました。頭に行っていた血液が手足末端に行くと眠るのです。ということは、頭を氷水で冷やして熱を捨てるのを助けてあげれば不眠症の改善に効果があるのではないでしょうか。
そこでこの一週間、自ら実験をしました。私は年のせいか、朝早く目覚めてしまうことが最近多くなりましたので、夕食後、オリンピック中継を観ながら、氷水を入れた氷嚢を1時間ほど頭に乗せてみたのです。5日ほど続けると案の定、朝早くに目覚めてしまうことが減ってきました。体調もよいので、今夜もオリンピック中継を観ながら乗せようと思います。
治療としては、頭に熱感がある人や頭皮がむくんでいる人には「百会」という頭のてっぺんにあるツボに鍼をします。
また、足裏には「失眠」という不眠によく効くツボがあります。神経症やうつ病等も改善すると言われていますので、寝る前に足裏全体をテニスボール等でよくほぐすと良いでしょう。私は高校生の頃から毎日足裏をほぐしてから寝る習慣があります。そのお陰でしょうか、寝つけないという事はありません。
自宅で簡単に出来ますので、皆さんも「頭に氷嚢」と「足裏ほぐし」をお試しください😊
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