塩分も摂りましょう!
毎年この時期になると「皆さん、こまめに水分を補給しましょう!」と、テレビが一斉に言い始めます。しかし私は水分不足よりも塩分不足のほうが人体には危険だと思っています。特に高齢者は腎臓の機能が落ちているから、塩分が足りないと「低ナトリウム血症」を起こしやすい。ダルくなったり、意識が朦朧としたり、脱水症状や熱中症も起こしやすくなります。
私は一昨年、まだ梅雨の明けない東京を抜け出し、北海道旅行に出発しました。しかし涼しいはずの北海道が、な、なんと33度の猛暑。旭山動物園で、まだ暑さに慣れていない私は意識が朦朧としてきました…。「まずい、このままでは倒れる」と思った私は食堂に駆け込み、醤油ラーメンを汁まで全部飲み干したのです。すると、みるみる身体は復活!塩分摂取の大切さを改めて感じた出来事でした。
また、当院の患者さんで、少年野球のコーチをしている人は「朝食に、ご飯と味噌汁を食べてきた子供に熱中症が少ない」と、言いますし、野球部の高校生は「練習グラウンドには盛り塩があって、ヘトヘトになるとその塩をなめるのですが、不思議と元気になるんです」と、言います。
しかし世間では、日本人は先進国の中で一番塩を摂っているから「塩分を控えましょう」「一日6グラム以下にしましょう」の大合唱…。ところが、世界中の調査結果を総合すると、一日の塩分摂取にして10グラム~15グラムの人達の総死亡率が最も低い。だから国際的には「日本人が以前、世界一の長寿国だったのは、塩をよく摂っていた事もその一因ではないか」という説もあるくらいなのです。
いま日本人は一日10グラム前後の塩を摂っていますが、それを20グラムも摂ったら、確かに身体に良くない。でも塩味がきつすぎて、そんなに摂取することなどあり得ないのです。
皆さんも水分だけでなく、適度な塩分摂取も心掛け、この夏を元気に乗りきりましょう。私のオススメは温かい緑茶に梅干しを入れた「梅干し茶」。これを毎日飲んで”手の震え”が止まった患者さんもいます。また、スイカに塩をふる食べ方は、体内の熱を冷ましつつ塩分が補給できるので身体がスーと涼しくなりますよ😃