人生の旬 ~生き方次第で何度でも訪れる~
昨日、来院した患者さんから「東洋医学では、女性は7年ごとに、男性は8年ごとのサイクルで、身体の節目を迎えるというのは本当ですか?」との質問を受けました。
これは本当です。既に約二千年前、前漢時代の医学書『黄帝内経素問』に記されています。例えば、女性は14歳で初潮をむかえ、21歳で女性らしい均整の取れた体つきになり、28歳では肉体的ピークをむかえ、35歳から容姿に衰えが見え始め、42歳で白髪が目立ち、49歳で閉経する。肉体について女性は28歳が一番の「旬」という事ですね。
しかし、動物と違って人間は心 (魂+情感) を持っている為、人生には「旬」が何度も訪れます。青年期には勢いのあるエネルギーを活かした仕事の仕方があるでしょうし、中年期を過ぎれば、若い時には持ち得ない熟練した技を活かした仕事がある。あるいは家庭や人間関係においても、その人の持ち味が発揮される場面は次々と変わっていくでしょう。持てる力を一番いい形で使える旬の時期や場面が、人生にはいくつもあるわけです。
若い時にヒットに恵まれ一躍脚光を浴びた俳優が、中年になって人気が陰りだし、いつの間にか姿を見なくなることがあります。ところが老年になってから、人生経験を重ねた事で醸し出される人間的な味わいが評判になり、映画やドラマで引っ張りだこになる。こういうケースを見ると、人生には年齢に応じて、いくつもの旬の時期があるんだなと感じます。
だから、もう自分の旬は過ぎたなと感じても嘆くことはありません。目標を持って努力する、様々な経験をして面白い生き方をする。その人なりの努力と経験を重ねていれば、いつまたどんな形で旬がやってくるかはわかりません。
当院のある患者さんは「定年した主人は、このまま終わる人ではないと思っていたのですが、ある時突然声がかかって、凄く良い条件でまた働き始めました!」と嬉しそうに言っていました。
それまでの潮目が変わって、旬の時期が違う形で再び巡ってくる。人生の醍醐味とは、そういうものではないでしょうか。来たるべき旬の時期に備えて、良質の読書で心を鍛え、養生+こまめなケアで肉体を維持する。その一助として当院のエイジングケアを是非お役立てください😊
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