こどもの日に想う ~免疫系を育てる~
自粛生活が一年以上続く今日、大人だったらやりたい事があっても「今年は無理でもまた来年」と考えられます。しかし、子供の成長期間や学生の学習期間である一年は取り返す事が出来ません。
そもそも人間というのは無菌状態で 成長していくわけではなく、生まれてからの過程で様々な細菌やウイルス、ホコリ、チリ等に触れながら育ちます。赤ちゃんは、何処を触っても全部口の中に持っていきますよね。外部の物を毎日毎日取り入れて、細菌やウイルス、ホコリ、チリにどう対応すればいいかを身体が学習し、免疫系を育てていく。それが人間の成長なのです。
一日に何回も石鹸で手を洗い、消毒にソーシャルディスタンスでは免疫系が育たず、弱い大人になってしまいます。それに、細菌やウイルスは、本当は人間にとって敵ではないのです。例えば井戸水で育った私の父は井戸水を飲んでも下痢をしませんが、水道水で育った私が井戸水を飲むと下痢をする。つまり、細菌が悪いのではなく、人間の方が対応していないだけなのです。ウイルスだって本来は敵じゃなく共存できる物なのに、過度に排除したり、人との触れ合いを遠ざけたりしているから、現代では敵になってしまっていると考えられます。
もちろん、命にかかわる感染症には、かからないように工夫する必要があります。しかし、米ハーバード大学とスタンフォード大学の感染症疫学の先生達が出しているグレートバリントン宣言では、「コロナは高齢者にはリスクの高いウイルスだが、若者にとっては1000分の1のリスクしかない。なので対面授業やスポーツは再開すべきである」と言っています。日本の数十倍も感染者や死亡者が多い米国でも、そのような宣言が出ているのです。
基本的な感染対策をとった上で、子供や学生達には、今まで通りの生活を送らせてあげたいものです。