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ツボ

セルフ灸のすすめ

お灸をする女性
このご時世、免疫力UPのツボがあると言ったら、興味を持たれる方も多いのではないでしょうか。

鍼灸の大家で厚生大臣賞を受賞した長野潔氏は「ほとんどの患者さんの天庸(首の横にある太い筋の上縁)のツボに圧痛が認められ、喉に違和感を訴えている。これを改善することで慢性病は治っていく」という扁桃病因論を唱えています。

鼻の奥や舌の付け根などに存在する扁桃は空気の入り道をぐるりと取り囲み、リンパ組織を構成し細菌等の侵入を防いでいます。免疫の第一予防線として働く重要組織であるため、この扁桃が弱り、免疫力が低下すると各人の弱い処に不調や病気が波及してしまう。つまり、「風邪は万病のもと」ということなのです。

例えば加齢、過労、外傷、寒冷、過度のストレス、運動不足、怖れ不安などは扁桃を弱らせ免疫力を低下させます。その二次感染として、頭痛、肩こり、関節痛、食欲不振、不眠、イライラ、めまい、全身倦怠感などが起こるとされています。

当院では、長野潔氏の提唱する扁桃7点のツボを施術に活用する事で患者さんの免疫力強化に努めています。そのため定期的に通っていただいている患者さんには、同世代の人達より元気な方が多いですね。中には、現役で働いている93歳や86歳の方々もいますから、私の方が恐縮してしまいます。

しかし、頻繁に当院に通えないという人にはセルフケアとして、扁桃を強化する7点のツボうち、次の5点にお灸をすえる事をお勧めします。

➀左右の照海(内くるぶしの下の凹み)
➁大椎(首の後の一番飛び出た骨)
⓷左右の手三里( 肘の外側、押して一番痛い処)
照海大椎手三里天庸

お灸の温かさを全く感じない処には、もう一回すえて下さい。お灸を終えたら、扁桃7点の残りのツボ2点である左右の天庸(首の横にある太い筋の上縁)を指でよくほぐして終了です。また、お灸につきましてはドラッグストア等で売っている物で十分ですが、当院でも業務用のお灸を安くお譲りしていますのでお声掛け下さい。尚、お灸の匂いが部屋中にこもるのが嫌という人は、トイレで換気扇を回しながらすえてみて下さい。臭いの拡散が防げます。

長野潔氏は「お灸はリンパ球が増えるので慢性時には必須である」と言います。リンパ球とは白血球の一種で免疫において重要な作用をするほか、ウイルスを捕食したり、抗体を作る働きをすると考えられているものです。

新型コロナ対策として、外部のウイルスから身を衛る行動をとることは勿論大切な事です。しかし、目に見えないものに対しては限界がありますので、人間自身の免疫力を内部から強化する事はそれ以上に大切なのではないでしょうか。

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